Archive for the ‘誠実な活動’ Category

社員旅行費を取引先が負担 公取委警告

2019年5月28日

建材卸業の丸井産業株式会社が、社員旅行の費用などを取引先に支払わせていたとして、公正取引委員会は2019年5月15日、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで同社に警告を行った。
調べによると、同社は遅くとも約4年前から、取引先171社に社員旅行の費用を一部負担させたり、19社に同社の営業担当者への報奨金に充てる費用を要求したりしていた。取引先が負担した額は、計約7千万円を超えるという。同社は「協賛金などとして提供を求めた。長年の慣習だった」などと話している。
(公正取引委員会HP、日経新聞)

【このニュースに一言】
公取委は「納入業者に利益がないにも関わらず、金銭を提供させた」と断じています。同社からは「強制していなかった」旨のコメントもありましたが、納入業者に「協賛金を支払わなかったら、取引がなくなるかもしれない」という不安があり、断れなかったことは想像に難くありません。優越的な立場にある企業は、「お願い」であっても、相手には断れない強制になることをハッキリと認識すべきです。
「長年の慣習」も「相手もの同意」も、立場の弱い相手が我慢していた上に成り立っていただけで、それが正当性の理由には、一切ならないことを肝に銘じましょう。

タクシーが車椅子を乗車拒否 改善のため研修を義務化

2019年3月29日

2019年3月、「UD(ユニバーサルデザイン)タクシー」が、車椅子での乗車を拒否する事例を受け、政府はタクシー会社に改善のための研修を義務化する方針をしめした。
「UDタクシー」とは、障害を持った人や高齢者など誰でも利用しやすいよう設計されたタクシー。障害者の支援団体であるDPI日本会議によると、車椅子利用者に調査を行ったところ、44名中11名が、UDタクシーに乗車拒否をされた経験があるということが判明した。調査結果を受け、政府は今後、タクシー会社に運転手の研修を義務化し、研修未実施の場合は補助金を出さないなどとしている。
(NHKニュース、東京新聞)

【このニュースに一言】
政府は、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年度までに障害者や高齢者にも利用しやすいUDタクシー1万台の導入を進めており、タクシー会社には購入のための補助金を出しています。しかし、ニュースのような乗車拒否があるのでは、台数がいくら増えても、UDタクシーの導入が進んでいるとは言えません。
調査結果からは、「車椅子のお客様を乗せた経験がなかった」、「車椅子で乗れることを知らない」など、運転手の経験や知識の不足を感じます。研修が義務化によって、運転手にはUDタクシーのことをしっかりと学んでほしいものです。

誰もが住みやすい社会をつくるためには、知識や経験以前に、まず社会への「関心」が必要です。このニュースを「もし自分が運転手だったら…」と、自分ごととして考えてみてください。

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「ばか」「ブタ」、福岡市の認可保育園で、園児に暴言や体罰

2019年3月5日

福岡市の保育園で保育士による園児への暴言や体罰があったとして、2019年2月15日、福岡市は園を運営する社会福祉法人「北斗会」に児童福祉法などに基づいた改善勧告を出した。市による特別指導監査によると、同園では、「ばか」「ブタ」などの暴言や押し入れに閉じ込めるなどの不適切な保育があったことが判明。同園には2017年にも聞き取り調査が行われていたが、その際には不適切な保育の事実確認ができなかった。その後の報道で、同園の元保育士が「何も話さないよう口止めされていた」と証言。2019年1月から特別指導監査が実施されていた。

(毎日新聞、共同通信、日本経済新聞)

【このニュースに一言】
共働き家庭の増加などで、保育園に通う子どもの数は増えています。一方、都市部などの保育園では人手不足が慢性化しており、保育士の負荷が高まっています。今回、保育園の関係者からは「人手不足で現場に余裕がなかった」、「不適切な行為を園全体で許容する雰囲気があった」という話が出ていますが、子どもが心身ともに安全に過ごす保育園で、暴言や体罰はあってはならないことです。
今回の件で、外部から見れば明らかに不適切だとわかることも、組織の中ではわからなくなるという怖さを感じます。
現場を見聞きした人が、最初は「おかしい」と感じても、「ほかに手段がない」、「業務を進めるためだから、仕方ない」などという組織の論理から、正当化する気持ちが生まれるのかもしれません。
業務の内容に不安を感じたら、信頼できる上司や同僚に相談をしてみましょう。あなたの相談がきっかけとなって、不適切な業務のやり方が正されるかもしれません。

車検切れバスを運転 愛知県豊田市のバス会社

2019年2月10日

昨年6~7月、愛知県豊田市のバス会社「KRB観光バス」が、車検が切れた状態のバスを営業運転していたことがわかった。また、同社は中部運輸局の調査に対し、虚偽の説明をしていた。このバスは企業の社員を送迎する用途で使われていたが、6月上旬に車検が切れた後、7月中旬まで少なくとも9回、高速道路を含めて営業運転されていた。運転手が7月下旬になり、車検切れに気がついたという。無車検での運行は、道路運送法違反に当たる。また昨年11月、内部告発を受けて中部運輸局が同社の社長を呼び出し、聞き取りを行った際には、「バスは故障しており、修理に出していた」と、虚偽の説明がなされていた。
(日経新聞、中京テレビNEWS、NHK)

【このニュースに一言】
安全な運行のために車両の整備を行うことは、バス会社の必須業務です。
必ずしも「車検が切れる=車両が危険な状態になる」ではないと思いますが、車検は車両の安全な運行を守るための重要な定期検査で、疎かにすることは許されません。今回、車検切れに1ヶ月以上もの間、気づかなかったのは、車検時期のチェックなど管理体制に問題があったと思いますが、もしも車検軽視の姿勢があったのなら、直ちに改めてください。
今後の管理体制では、二重三重にチェックモレを防ぐ、実効性の高い対策を考えて欲しいと思います。
あと同社は、運輸局の調査に対し虚偽の説明をしていましたが、隠ぺいによって会社が守られることは全体にありません。起こした問題で受ける会社のダメージを、一層深刻にするだけです。

「信書の秘密」侵害か 局員がハガキを無断コピー 名古屋市の郵便局

2018年12月4日

2018年11月18日、名古屋市の郵便局員が、郵便物を無断でコピーしたり、他の局員に見せたりしていたことがわかった。調べによると、局員は特定記録郵便として郵送されたハガキ一枚の内容を見て、先輩局員に「きつい文言が書かれたハガキがある。配達しても良いか」との相談をした。管理者がいなかったため、相談された局員はハガキをコピーしてから、通常通りに配達するようにと指示。その後、相談された局員は他部署の局員に「配達させてしまったが大丈夫だったか」とコピーを見せて相談したという。

【このニュースに一言】
「信書の秘密」は、基本的人権として憲法で保障されています。ハガキなどの信書の内容や差出人などの情報は、他人に見られることなく受取人に届けられなければならず、また郵便局の職員は、業務上知ったこれらの情報を守る必要があります。但し、ハガキの「きつい文言」が、受取人への脅迫だった場合は、守られる「信書の秘密」に該当しないとされる場合もあります。
今回、ハガキを偶然内容を目にした同局員が「脅迫ではないか」と不安に感じて、取った行動だったのかもしれません。しかし、管理職に相談もせずに「信書の秘密」を侵害の可能性のある行為が行われてしまったことは、「今後、気をつける」では済まない重大な問題です。
今回の原因は、無断でコピー等を行った局員個人の問題ではなく、郵便局内の教育指導、コンプライアンス意識啓発の欠陥という組織の問題だったのではないかと思います。

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HTCが提供する「コンプライアンス落語」の落語家 春雨や風子さんも
メンバーになっている「落語ガールズ」の公演の紹介です。
※当日は、「コンプライアンス落語」ではありません。
■開催要項
2018年12月15日(土) 14:00~(昼の部)、18:30~(夜の部)
深川資料館(清澄白河駅)にて
チケットは、
ぴあ昼夜【489-933】通し【786-784
イープラス
落語ガールズについて(2017年12月2日産経ニュース)
https://www.sankei.com/entertainments/news/171202/ent1712020008-n1.html

外国人実習生に残業代未払いで訴訟

2018年11月27日

茨城県の農家で外国人実習生として働いていた中国人女性が、残業代未払い分の支払いなどを求めた訴訟が行われていた。2018年11月10日、水戸地裁は農家に対し、未払い分と制裁金を合わせた約200万円の支払いを命じる判決を出した。2013年頃、女性は、大葉栽培をする農家で勤務。17時以降の残業時間帯にも10枚ずつ大葉をゴムで束ねる作業を行っていたが、1束2円の賃金しか支払われなかった。時給に換算すると400円程度で労働を強いられていたという。農家は技能実習の労働契約とは別の請負業務だったと反論したが、裁判長は「農家の指揮監督下で行われ、雇用契約に基づくものだ」と判断した。

【このニュースに一言】
法務省の発表によると、外国人実習生に関する不正行為は2017年で計299件確認されています。その中の約半数をしめるのが賃金の不払いで、その隠蔽を目的とした書類の偽造も多く見られていました。外国人実習生が安価な労働力として不当に扱われているという例が多数あるのではないでしょうか。
政府は今後、人手不足の解消策として多くの外国人労働者を受け入れていく姿勢を示していますが、外国人労働者が安心して働くことができる環境を整えることが先決ではないかと感じます。今すでに周りに外国人労働者がいるという人は、ともに働く仲間として、何か悩んでいる様子はないか、また不利益な扱いを受けていないか、一人ひとりが気を配ることからはじめてみてください。

部下が上司を評価する!「360度評価」制度を導入と発表 財務省

2018年11月6日

2018年10月19日、財務省は組織改革案の中間報告を行い、2019年中に上司と部下がお互いに評価する「360度評価」制度を導入予定であると発表した。
同省は、文書改ざんやセクハラなどの不祥事を受け、今後の不祥事防止を目指す「財務省再生プロジェクト」を進めている。「360度評価」とは、上司から部下のみではなく、部下から上司、同僚からなど、複数の評価者によって多面的に評価する手法。
そのほかに、内部通報制度の整備や、幹部職員向けのコンプライアンス研修なども予定しているという。

【このニュースに一言】
同省の度重なる不祥事には、複数の幹部職員が関わっていました。問題のある行動を見かけても、部下が上司に指摘しづらい環境であったことが、不祥事が起きてしまった原因の一つであると考えられます。「360度評価」により、複数の人から様々な視点で評価されることで、客観的に自分を知ることができます。その結果、無意識に行っていた自身の悪い言動を改善するといった効果が期待できます。
同省は今後導入にあたって詳細なルールを決めていくとしていますが、「360度評価」が有効に機能するために大切なのは、評価する側、評価される側の両方が「お互いを高めあおう」「より組織を良くしていこう」という意識を持つことです。客観的事実を踏まえず、褒めたり、貶したりといった主観のみによる評価は禁物です。

清水エスパルス元社員 チケット売上げなど6700万円着服

2018年8月15日

サッカーJ1の清水エスパルスを運営する「エスパルス」社の元社員が、チケットの売上金など計約6700万円を着服していたとして、2018年8月3日、同社はこの社員を7月末付けで懲戒解雇したと発表した。同社によると、元社員は2011年から同社に出向し、経理業務を一人で担当。翌2012年から6年間、スポンサーからの協賛金や試合のチケット代を低く計上したり、物品代を水増しするなどして着服し、遊興費や車、時計などの購入にあてていた。今年に入って後任の担当者が帳簿に不審な点を発見し、不正が発覚した。元社員は架空請求を認め、約半額がすでに返済されたという。定期的な監査では元社員の不正は見つかっておらず、同社は内部管理体制の強化を図るとしている。

【このニュースに一言】
Jリーグのクラブのほとんどは、従業員数が50名以下の中小企業。人手がなく、ぎりぎりで業務を回している部分もあると思われます。
しかし、経理はお金を管理する業務で、不正が行われることも多い職種です。今回の元社員はエスパルス社に出向した次の年から不正を始めていますが、おそらく不正をしても発覚しそうにない社内の体制に気づいて、不正を始めたと思われます。
人手の問題があるので、小さな組織ですぐに万全の体制をとることはもちろん難しいでしょう。ただ、何もしないと今回のような不正で多額の損害や信用の低下を招く可能性があります。できる範囲から、ローテーションや業務のダブルチェック、抜き打ち検査といった対応を行っていくことが重要です。

受注実績などの偽装で課徴金納付命令 修理サービス会社「ARS」

2018年7月11日

住宅に関する修理サービス会社「ARS」が、受注実績などを偽ってウェブサイトに掲載していた問題で、2018年6月29日、消費者庁は同社に対して景品表示法違反として、4988万円の課徴金納付命令を出した。同社は自社サイトで受注実績や拠点数を表示したり、「お客様満足度、業界NO.1」などと表示したりしていたが、同庁の調査の結果、いずれも合理的な根拠のある表示とは認められなかった。その他にも、サービス比較サイトを作成し、同社を一位とするなどの自作自演行為もあったという。

【このニュースに一言】
”架空サイトを作り、自社の提供するサービス・商品を自作自演で褒める”
この事実がバレた今、同社はどういう気持ちなのでしょうか。私なら「恥ずかしくて、穴があったら入りたい!」という気持ちになってしまいます。自社を「よく見せよう」とする気持ちは、理解できます。しかし、消費者を騙すような行為をしては、逆に不信感を抱かせ「良くないもの」というイメージを与えるだけです。本当に良いものであれば、「お客様満足度、業界NO.1」を目指すために取り組んでいること、自分たちの熱意など、ありのままをアピールすべきです。今回の景表法違反は、同社の目標である「お客様満足度、業界NO.1」をより遠いものにする行為だということを認識し、深く反省してほしいものです。

情報伝達ミスによる不当表示 良品計画

2018年5月14日

2018年4月25日、消費者庁は「無印良品」で知られる良品計画のソファ用カバーに景品表示法違反があったことを発表した。
調べによると、同社の商品である「綿ポリエステル変り織ソファ用カバー」などの商品タグには、「はっ水加工を施しました」と表示されていた。しかし実際には、加工は施されていなかったという。同社によると、同商品の生産工場を変更した際に、はっ水加工は中止していた。しかし、社内伝達のミスにより、商品タグなどの表示変更がされないまま販売を続けていた。2017年末に社内で誤りに気付き販売を中止し、同庁へ報告を行ったという。

【このニュースに一言】
2017年末の販売中止後、翌年初めには購入者への連絡や返金を行うなど、誤表示に気付いてからの同社の対応は素早いものでした。しかし、2015年6月からミスが発生してから、2年半にわたって誤表示まま販売を続けてしまったことは、日頃の商品管理にずさんさがあったと思われても仕方ありません。また、今回の誤表示を受けて、「他の商品表示は大丈夫だろうか」と感じる人もいるでしょう。特に、同社が取り扱っている食料品のアレルギー表示にもし誤りがあったら、人の生命を脅かすような事態を招いたかもしれません。
同社は、今回の違反を重く受け止め、社内での情報共有がスムーズに行われる体制づくりの他、既存商品の再チェックも実施して欲しいと思います。

魚の産地偽装 三重県の魚卸売会社

2018年5月7日

2018年4月20日、三重県の魚卸売会社が高級魚・クエの産地を偽って販売していたとして、同社の社長ら5人が不正競争防止法違反で逮捕された。また、社長以外の4人は、大量の貝殻を大阪湾に不法投棄していたとして、16日に海洋汚染防止法違反容疑でも逮捕されている。同社はクエ98匹を宮城県の水産物卸業者へ販売。実際は中国産にも関わらず、山口県産と偽って売っていたという。

【このニュースに一言】
同社は、日本の食を世界に広める輸出推進委員会にも参画していたそうです。産地偽装をするような会社が、日本の食を広める立場になっていたとは、本当に呆れた話です。同委員会の信頼にも大きな影を落としたのではないでしょうか。
今回、逮捕されたのが社長や幹部であることを考えると、同社のコンプライアンスに大きな不安を感じます。産地偽装、不法投棄だけでなく、ほかにも不正を行っているのではないかと、疑いの目を向けられてもしかたありません。
不正は、決して利益を生むものではありません。顧客や取引先からの信頼、世間からの良い評判こそが、本当の利益の源泉であることを認識しましょう。

不正行為5538件で処分900人超 どうした商工中金!

2018年4月16日

商工中金では昨年、危機対応業務として行われた制度融資に関して多くの不正が見つかり問題となっていた。同金庫は2018年3月、さらに577件の不正が新たに見つかったと発表した。過去に発表された4961件に加え、計5538件となる。
今回の発表では、制度融資に関する不正のほか、融資業務以外(統計調査)でも不正があったことが判明。書類の改ざん、統計の捏造などが577件見つかったという。
不正による処分者の総数は、およそ900人を超えると予測されている。

【このニュースに一言】
調査が進み、同金庫では組織的に不正が蔓延していたことが次第にわかってきました。厳しいノルマ、さらにノルマに未達の職員へのパワハラ、そして制度融資の趣旨を逸脱した案件であっても黙認する経営陣の姿勢もありました。
同金庫の職員数は約4000人で、そのうち900人以上が不正に関与する異常事態が起きたのは、金融庁が指摘する通り、「経営陣の姿勢が、職員の不正行為に対する心理的なハードルを引き下げ、コンプライアンス意識の低下に影響した」からに他なりません。
企業・団体の経営に携わる方は、この事件を他山の石として、自己の判断や行動が従業員に強く影響することを認識して欲しいと思います。

学術論文のデータに捏造や改ざん 愛知学院大学

2018年3月30日

2018年3月10日、愛知学院大学は、同大歯学部の講師らが発表した学術論文のデータに捏造や改ざんがあったことがわかったと発表した。「2013年に発表された論文の中に不自然なデータが存在する」という匿名の通報を受け、同大が調査を行ったところ、論文内に使用されている画像に反転・切り貼りなどがあったことが発覚。論文の主旨に関わる捏造や改ざんにあたるとして、大学は論文の取り下げを勧告した。今後関わった講師らの処分について審議するという。

【このニュースに一言】
人の目に触れるものである以上、捏造・改ざんはいつか絶対に発覚します。また、データの捏造や改ざんは、論文の価値だけでなく、研究者としての価値をも失わせる行為です。講義や研究の信憑性は薄れ、「信用できない講師から学びたくない」と学生も集まらなくなるおそれがあります。
同大は、捏造・改ざんを行った者だけでなく、研究監督者などの数名にも責任があると判断しました。形式的なチェックだけでは意味がありません。データが正しいかどうかチェックがしっかりと行われていれば、不正を未然に防げたかもしれないのです。直接不正を行っていなくても、責任を問われる可能性があることを意識しましょう。

東レ パッケージに商品個数を誤認させる表示 

2018年2月19日

2018年2月1日、東レが販売する浄水器の交換用カートリッジの商品個数を誤認させる表示がパッケージにあったとして、消費者庁は東レ社に再発防止などを求める措置命令を出した。対象となったのは同社の浄水器で、本体商品とカートリッジ1個が入った箱に、交換用カートリッジが3個入った箱をセットにして販売していた。カートリッジは実際には計4個だが、本体の箱に「カートリッジ1個付」、交換用カートリッジの箱に「カートリッジ4個入り」という記載があることから、消費者に合計5個入りと誤認させる表示であると指摘を受けた。

【このニュースに一言】

本体と交換用カートリッジは、それぞれ別の箱に分けられていましたが、誤解を招く表示が箱に印刷されていました。同社の浄水器は、長年消費者から支持されている製品ですが、今回の問題で消費者からの信頼に傷がついたとしたら、とても勿体ないことです。

カートリッジの数は、購入後すぐにハッキリとわかるので、数を偽って販売しようとする意図はなかったはずです。先入観や確認不足が原因だったのではないでしょうか。このような問題を防ぐためには、担当者が(先入観なく)消費者の視点になり、表示がどう理解されるのかを確認すること、そして複数の目(担当者以外)でチェックすることです。またチェックリストを作成して、チェック漏れが起きないようにすることも必要です。

顧客情報を持ち出し逮捕 DMG森精機子会社の元社員

2018年2月19日

2018年1月29日、DMG森精機社から顧客情報を不正に得たとして、京都府警は不正競争防止法違反の疑いで同社の子会社に勤務していた元社員を逮捕した。調べによると元社員は、社内ネットワークから顧客データへアクセスし、約300社の取引情報(納入した製品の機種・機番・納入時期など)を印刷し、自宅に持ち帰っていた。元社員は犯行当時、同業他社への転職を控えていたという。容疑に関しては「不正な利益を得る目的はなかった」と否認している。

 

【このニュースに一言】

機密情報を持ち帰ることが社内規程で禁じられている企業は多いでしょう。また、元社員は否認はしていますが、もしも同業他社への転職を有利にしたいと考えての行為なら、それは大きな誤りです。企業のコンプライアンスが社会から注視される時代に、前職で不正に得た情報を土産に入社する人を欲しいと思う会社はないでしょう。むしろ、「うちでも同じことをしかねない」と、断固拒否するはずです。目先の利益を追い不正を犯せば、人生の経歴に傷を付け、長い期間にわたり、自身に大きな不利益がもたらされることを心に刻まなくてはいけません。

飲酒運転を隠蔽し、身代わり立てる 大阪府警の巡査部長

2017年12月27日

2017年12月7日、大阪府警の巡査部長が、飲酒運転による道路交通法違反と犯人隠蔽教唆の疑いで逮捕された。

調べによると、巡査部長は酒を飲んだ状態で乗用車を運転。植木などに衝突する事故を起こした。その際、一緒にいた男性を身代わりに立てて自身の飲酒運転を隠蔽しようとした。また、現場にかけつけた後輩警察官二人に口止めをしていた。

身代わりとなった男性が別容疑で逮捕されたことをきっかけに、発覚したという。

【このニュースに一言】

この事件では幾つもの不正が発生しています。まず一つは巡査部長が飲酒運転をしたこと、そして二つ目はそれを隠蔽したこと、三つ目は男性が身代わりとなって代わりに出頭したこと、四つ目は口止めされた後輩警察官二人が従ったことです。

犯罪を取り締まるべき警察官が飲酒運転・隠蔽教唆をしたという時点で呆れますが、不正行為をした人に何人もの協力者がいたという事実にはさらに驚きます。特に後輩警察官二人は、先輩ではなく自身の良心に従い、職務をまっとうすべきでした。

この事件は、一つの不正が、次の不正を生む、不正の連鎖の例です。他人の不正を隠す、見逃すことは、あなた自身が犯罪者になるだけではありません。あたなの後に、新たな犯罪人を作り出すことになるかもしれません。

ロボット掃除機から情報漏えいの恐れ

2017年12月5日

2017年11月16日、シャープが販売するロボット掃除機の一部機種に、情報漏えいにつながる脆弱性があることがわかった。

情報処理推進機構(IPA)の発表によると、対象となる2機種5モデル、約2万2千台において、無線LANを通じて悪意のある第三者から、登録した個人情報などを閲覧・変更されたり、掃除機に搭載したカメラからのぞき見されるなど不正に扱われる可能性があるという。

同社は本件に対し、ホームページから修正ソフトの提供を行って対応している。今のところ、被害報告は寄せられていないという。

【このニュースに一言】

ロボット掃除機が悪用されるというのは、想像しにくいかもしれません。しかし、カメラが搭載されていることから、着替えを覗かれるなどのプライバシー侵害や、間取りや貴重品の保管場所の情報が漏れることでの住居侵入・窃盗被害など、様々な犯罪が考えられます。

近年IoT ※ 化が進んでおり、パソコンやスマートフォンなどの情報機器に限らず、家電製品などもインターネットに接続可能なものが増えています。しかし前述したように、掃除機などの家電が危険をもたらすというのはなかなか考えにくいものです。何が犯罪に繋がるかわからないという危機意識を持ってもらうため、サービスを開発する企業・メーカーはユーザーへの積極的なリスク周知が必要であると感じます。

※「Internet of Things」の略で、身の回りのものがすべてインターネットに繋がるような仕組みのこと

神戸製鋼所、長年のデータ改ざんが発覚

2017年10月26日

2017年10月、神戸製鋼は、グループ企業も含めた複数社、複数事業部において、品質データの偽装があると発表した。 記者会見で、組織ぐるみで偽装行為を行っていたことを認めている。

 

【このニュースに一言】

※今回は、某大手企業の元役員からの寄稿です。

・データ偽装事件に思う。

またしても伝統企業によるデータ偽装問題が取り上げられている。

今回の問題でも取り上げられているのは、これが組織ぐるみであったのか否かという点である。筆者はこれが現場だけの問題であったとはとても思えないのである。どこかの時点でこのような不正が行われていた事は経営幹部の耳に入っていたと考える方が自然であろう。

現在はどこもコンプライアンス教育が(大なり小なり)行われており現場ではこうした偽装行為に疑問を持つ社員は必ずいた筈だからである。ではこれを耳にした経営幹部はこれをどう受け止めたのかを知りたいところであるが以下は筆者の推察である。

まず経営幹部はこうした違法行為がどれくらいの規模で、どれくらいの期間行われてきたかを調べさせた、と考えられる。さらにはこうした情報をデイスクローズした場合の経営数値上のダメージを試算させた、と思われる。そして規模が大きければ大きいほど、期間が長ければ長い程、また経営上のダメージが大きければ大きい程デイスクローズはしにくくなったものと思われる。本来幹部がここで最も考えなければならないのは顧客保護である。同時にデイスクローズしなかった場合の信用失墜の大きさなのであるが、その事が経営陣の中で意思統一されていなかったのではないだろうか。発覚しなければいい、そんな甘い誘惑にかられた幹部がいたとは思いたくないが。

コンプライアンス推進に関して言えば、これは社員に対してしっかり行うものであって、今さら経営陣に対し入念に行うものではないと思われてきた節もある。しかし多くの不正事件を見て行くと経営陣の判断がぶれている例を散見する。今一度経営陣の意識変革を徹底すべき時ではないだろうか。守るべきは顧客であり自社利益ではないのである。

産地偽造!海外のこぼうが、青森産に

2017年6月2日

2017年5月25日、給食食材の卸業者の元支店長らが、産地偽装により不正競争防止法違反の疑いで逮捕された。調べによると、外国産(主に中国、台湾産)のごぼうを青森県産と偽った書類を作成し、都内や埼玉県内の保育園へ納品していた。背景には、ごぼうの価格が高騰したため、元支店長が仕入先に産地偽装を持ちかけていたという。調べに対し元支店長は「仕入先に輸入品の納品を許可した覚えはない」旨の供述をし、容疑を否認している。

【このニュースに一言】
喉元を過ぎれば、熱さを忘れる。
そんなことわざを思い出します。一時期、食品偽造(原料、産地)が大きなニュースになり、食品業界に携わる人たちのコンプライアンス意識が高まったように思っていました。しかし、世の中で話題にならなくなると出てくるものですね。
「悪い事だと知っていても、やってしまう」という人間の弱さを前提に、企業は「自戒する機会」を適宜作るようにしなければなりません。

格安スマホ 業界最速の表示で措置命令 

2017年4月25日

2017年4月21日、格安スマホ「フリーテル」のブランドで事業展開しているプラスワン・マーケティングは、『業界最速』などの広告表示が、景品表示法違反(有利誤認)にあたるとして、消費者庁より再発防止を求める措置命令を受けた。実際は、平日の12時台のみの通信速度の比較で『業界最速』だった。同社は「表記の確認が不十分だった、広告のチェック体制の強化や社員教育の徹底等に取組む」旨のとコメントをしている。

 

【このニュースに一言】

業界、業種、商品を問わず、広告宣伝に関わる人は、広告を作る前に景表法について、しっかりと勉強すべきです。わかりやすい書籍もあるし、ネットでも探せばいくらでも丁寧に解説しているサイトが見つかります。

経営者の方へ、広告宣伝の仕事を担当させる人に、景表法を勉強させないのは、自動車教習所に通わせずに、自動車を運転させるのと同じくらい「あり得ないこと」だと考えてください。

水素水で痩せる? 根拠なしで再発防止命令

2017年3月10日

水素水を飲むだけで痩せると宣伝したのは根拠がなく景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、2017年3月4日、消費者庁は販売業者へ再発防止を求める措置命令を出した。同庁の調べによると、千代田薬品工業らのウェブサイトに「水素が脂質代謝を促進!」などと飲むだけで痩せられるかのような文言で宣伝。同庁は、効果がある根拠を提出するよう求めていたが、資料提供はなかったという。千代田薬品工業は「今回の措置命令を厳粛に受け止め、再発防止に努める」旨のコメントをし、第三者機関による広告表現のチェック体制を導入することも言及している。

 

【このニュースに一言】

景表法に違反する表現だから×、違反しないなら〇という考え方をしているなら大きな間違いです。効果がないものを、効果があると『思わせる』ようなことはすべて×にしなければなりません。人の誤解や思い込みを利用しなければ売れない商品では捨てて、まっとうな商品の開発に力をそそぐべきです。

それが誠実な企業というものです。

 

パナソニックの工場で、下請け従業員が過労死

2017年2月13日

大手電機メーカーのパナソニックの工場で、2015年10月に下請け会社の男性従業員がくも膜下出血で亡くなったが、福井労働基準監督署は2017年1月31日、長時間労働による過労死と労災認定した。男性はパナソニックの下請け会社の契約社員で、死亡前の2か月間は過労死ラインの月間80時間を超える残業をしていた。

【このニュースに一言】

海外や外資系企業と取引契約では、その条文に「児童労働がないこと」など、労働法規の遵守が盛込まれていることが多い。それは、不正・不当な労働を行わせる会社と取引することは、不正・不当な労働に加担していると同じと考えているからだろう。

一方、日本企業との契約では、いままでそのような条文を見たことがない。「依頼したことだけ、しっかりとやって貰えればOK、それ以外は関心がない」ということなのか?

十数年前から「反社会勢力との隔絶」が取引契約の条文として、当り前のように盛り込まれるようになった。ブラック企業が大きな社会問題となっているいま、「労働法規の遵守」も当り前のように盛り込まれるようになって欲しいと思う。

育児・介護休業法の施行 マタハラ防止策の義務化

2017年2月1日

2017年1月1日から改正男女雇用機会均等法と改正育児・介護休業法が完全施行となった。今回の法改正で企業に義務付けられた。

政府指針による具体策としては、(1)マタハラの行為者に厳正に対処し、就業規則などで規定して周知徹底すること (2)相談窓口の設置、などがあげられる。

 

【このニュースに一言】

マタハラが起きる原因に加害者の損得勘定がある。「自分は忙しくても休めないのに、あの人は・・・」、「あの人のせいで、私の仕事が増える」等々、「私が損している」という気持ちである。そんな状態では、いくら「マタハラはダメ」と周知して、「マタハラしたら罰します」と厳しくしても、マタハラは防げない。表立ったものは減ると思うが、陰に隠れた陰湿なものが蔓延るだけだ。

マタハラを防ぐためには、損得勘定でも「私にメリットがある」とみんなが思う施策を考える必要がある。例えば、同じ職場で妊娠した人や、育児で休暇や時短勤務を取る人が出たら、「妊娠・出産・育児応援手当」のようなものを、職場のみんなに支給するというのはどうか?「お金で解決なんて!」と思うかもしれないが、健全な職場や良いチームワークに役立つなら、決して悪くはない。(企業として負担するだけのメリットはあると思う)

医大女性医師、同僚らにパワハラで懲戒処分

2016年12月13日

2016年12月12日、福島県立医科大学に勤務する女性医師が、附属病院のスタッフや同僚医師らにパワハラを行っていたとして、停職3カ月の懲戒処分を受けた。同医師は2015年に同大学のハラスメント対策委員会からパワハラの認定を受け、注意されていたにも関わらず、パワハラを続けていた。また同医師に口頭注意した同大学の教授に対し、執拗にメールを送り、同教授への中傷も含まれていた。

 

【このニュースに一言】

同医師は、ハラスメント対策委員会からハラスメント認定を受けていたにも関わらず、自分の行為を「助言や指導でハラスメントではない」と否定してようです。公正な判断でも、受け入れずに「間違いだ」という意識は、どこから来るのでしょうか。人間は誰にでも誤りがあります。「自分は必ず正しい」という傲慢さあったのではないでしょうか。

自分にとっての「正しさ」も多くの人には「間違い」ということは当り前のようにあります。もしも、自分を振り返って、「自分は必ず正しい」と思ったり、「人の指摘にすぐ反論する」といったりすることが多い人は、意識なくハラスメントを行っているかもしれません。「自分も間違いの多い人間」であると考え、指摘を受け入れる素直さを持つことが、ハラスメントの加害者にならない有効な予防策だと思います。

ワイロの原資は、企業が負担する経費だった? 大阪大教授とゼネコン2社に贈収賄容疑

2016年11月27日

2016年11月16日、耐震構造に関する共同研究に参加させていたゼネコン2社から現金を受け取ったとして、大阪大学大学院工学研究科の教授が収賄容疑で、渡していた亜建設工業と飛鳥建設の担当者が贈賄容疑で逮捕された。教授は、大学に許可をとらないまま共同研究を行い、企業に経費を負担させない便宜を図っていた。

逮捕者の出た2社はそれぞれ「お客様、株主の皆様をはじめとする関係者の皆様に、ご心配とご迷惑をおかけすることとなり、深くお詫び申し上げます。」とのコメントを出している。

【このニュースに一言】

逮捕された大学教授は、ゼネコンの研究員、大学の助手、建設省(現国土交通省)研究所の研究員などを務めた経歴があり、共同研究の仕組みや内実など詳しく知っていたと思われる。今回のワイロの一部は、本来大学に支払われる経費だったという見かたもあり、「大学教授が、大学に入るお金を自分の懐に入れた」ようなものである。贈賄容疑の2社は、おそらく正規の手続きで共同研究に参加しても、変わりのないメリットがあったはず。推測だが、強い立場の大学教授から、要望されて止む無く従ってしまったのではないか。しかし、不正は不正。断固として、断る勇気を持つべきだったと思う。

一方、大学教授には、大学という環境で研究ができているにも関わらず、「研究は自分のもの」、「もっと評価され、報酬を受け取って良いはず」といった自分勝手な考えを持っていたのではないだろうか。不満があるなら、大学を辞めてから、好き勝手なことをすべきである。

職員の着服事件が相次ぐ、神奈川県藤沢市

2016年9月29日

2016年9月5日、神奈川県藤沢市は生活保護費157万円が不正に支出されていたこ とを市議会本会議で報告した。同市が別件で男性課長補佐による生活保護費約520万円の着服問題を調べていたところ、匿名の投書があり、生活保護課内の金庫と壁の間に、封筒19通に小分けされた計175万円が隠されていたのを発見した。同市では新たに発覚したこの不正について、被疑者不詳のまま刑事告訴を検討しているという。
藤沢市では、2015年6月に市スポーツ推進課職員が207万円、2016年7月に学校給食課職員が6470万円を着服していたことが発覚していた。
市は、相次ぐ職員の不正を重く受け止め、「不祥事再発防止策再構築等本部会議」を設置し、鈴木恒夫市長が本部長に着任した。

 

【このニュースに一言】

藤沢市では、「藤沢市における法令の遵守に関する条例」を2012年9月制定、12月より施行しています。それにも関わらず、多額の着服事件が続いたことを考えると、藤沢市が職員のコンプライアンスに本気に取り組む気があったのか、とても疑問です。「ちゃんとやるつもりです」と口に出しても、実効性が伴わなけば意味がありません。

鈴木市長のリーダーシップに期待しています。

 

 

 

JR東海、運転台に足載せ新幹線を運転

2016年9月11日

JR東海は9月8日、新幹線こだま号の運転士が、走行中に両足を運転台に載せていたことを発表した。鉄道ファンが新幹線の写真を撮影した際に、運転台に両足が写っており、ツイッターに投稿したことで発覚した。JR東海によると、男性運転士(29)が、「疲れた足を伸ばすために、10秒ほど載せた。」と事実を認めており、過去にも同様のことを5,6回行っていたとのこと。なおJR東海は、今回の不適切行為について「あってはならない行為、全乗務員に指導を徹底する」としている。

 

【このニュースに一言】

「気持の緩みがある」ということです。

「安全に問題ない」などと、自分が判断したら、「社内規程があっても、バレないなら守らなくて良い」という勝手なことが行われたと思っています。新幹線の運転士になるには、選抜試験に合格し、教育訓練を受け、新幹線を運転するための免許を取得する必要があります。おそらく、新幹線の運転士は優秀な社員のはずです。それなのに、今回のような事態が起きたのはどうしてでしょうか。「職員の気持の緩み」に対する認識の甘さが、JR東海にあったのかもしれません。人命を運ぶ交通機関として、今後の是正に期待しています。

どうしたら防げた?ジブラルタ生命の男性社員、26人から1.9億円をだまし取る

2016年9月11日

9月8日、外資系生命保険会社のジブラルタ生命保険は、同社の男性社員が、顧客26人から約1億9千万円をだまし取っていたことを発表した。男性社員は、顧客と架空の保険契約を結び、現金を受け取り、偽造した保険証券を渡していた。今年の8月に当該の顧客から会社に保険内容の照会があり、発覚した。同保険会社は、ほかに被害がないか調査しているという。

 

【このニュースに一言】

「どうすれば、今回の被害を防ぐことができたのか?」

一般の人にとって、保険契約はたびたび行うものではないので、保険契約の手続きに「おかしな点」があることを見つけることは難しいことです。もちろん偽造された保険証書を偽物と見抜くことも同じです。「保険会社に確認すれば、すぐわかるじゃないか」と言う人もいると思います。しかし、営業担当者を信じて保険契約を結ぶのですから、「心配だから、確認してみよう」と思うのは、あまり期待できないのではと思います。

そこで、防ぐための方法を2つ考えてみました。

1)保険契約の手続きのなかに、本人から保険会社への電話もしくはWeb上での確認プロセスを入れる。これは日本国内で販売する個人向け保険全てに適応し、国が主導して、そのことを国民に周知する。また保険会社にはあらゆるパンフレットにそのプロセスがあることを明示する義務を持たせ、同プロセスの周知に協力してもらう。「保険に入ったら、最終チェックを電話かWebでする」を常識にするということです。

2)やはり、基本はコンプライアンス教育を徹底させることも重要。今回の不正のように個人が「悪意」を持てば、防ぐのが難しいものは、とにかく「悪意」を芽生えさせない、持たせない教育、意識啓発が大切です。仕事の使命感を強く持たせることや、「結局、バレる不正」であることを事例を使い実感させることです。

消費者庁、大手脱毛エステに一部業務停止命令

2016年8月25日

2016年8月24日、消費者庁は全国で脱毛エステを展開する株式会社グローバル・ブリエ東京に対して、特定商取引法違反(虚偽・誇大広告)で一部の業務について停止命令を出した。同社は、有名タレントを起用したCMで脱毛エステ「エターナル・ラビリンス」を全国展開している。消費者庁によると、同社は月額9500円で脱毛エステが受けられると誤解する広告を出し、実際には17万円を超えるコースを契約させていたという。また、設備や従業員が不足しているのに「間違いなく予約が取れます」などと虚偽の説明もしていたとされる。同社は「指摘された事実はなく、今後裁判を含めて争うことも検討している」とコメントしている

 

【このニュースに一言】

消費者庁は、同社に対して「概要書面不交付」、「契約書面の記載不備」、「虚偽誇大広告」、「役務の内容に関する不実告知」、「解約した消費者への返金に関する債務不履行」、「施術に関する債務履行の不当遅延」、「財務内容の不開示」という7つの違反を認定しています。

http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/release/pdf/160824kouhyou_1.pdf

同社は設立から10年以上エステ事業を営んでおり、特定商取引法の対象となっていることは、当然承知してると思います。特に同社は、宣伝に力を入れていたようですから、「虚偽誇大広告」について良くわかっていたはずです。

ここで乱暴ですが、宣伝の考え方で、企業を以下の2つに分けて考えてみましょう。

A.「法律の趣旨を考え、許されない宣伝はしない」企業

B.「法律の抜け道を考えて、宣伝する」企業

どちらが、顧客を大切にする企業だと思いますか?

自明ですよね。

運転手が乗客の運賃を着服 JR北海道バス

2016年7月19日

2016年7月7日、JR北海道の子会社「ジェイ・アール北海道バス」は、運転手が運賃を5人の乗客から計3050円を着服していたと発表した。運転手は7月5日に小樽と札幌間のバスの運転中、乗客が現金で支払った運賃を着服した。現金を運賃箱に入れるように促さず、手で直接受け取っていたという。不審に思った乗客から「おかしいのではないか」と同社に問い合わせがあり、この運転手に事情を聞いたところ着服を認めた。同社は、着服額が少なく、全額を弁済していることから、警察への告訴はせず、社内処分する方針という。

 

【このニュースに一言】

運転手のいつもと違う行動を不審に感じた乗客の指摘により、今回の発覚となりました。バスの運行は一人での業務のため、運転手は、「上手くやればバレない」と考えていたかもしれませんが、もしも乗客の厳しい目があることを意識できていれば、このような不正を行うことはなかったでしょう。

企業のコンプライアンスについて、世間の目はますます厳しくなっています。たった一人の運転手が魔が差して行った不正であっても、世間はその勤務先企業のコンプライアンス全体に不信感を持つかもしれません。

たまたまいた不届き者の話では済まないということを、しっかりと認識しましょう。

 

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