ミスが多い部下に嫌味を言えばアナタもパワハラ加害者

どんな職場にもミスしがちな部下はいます。上司のアナタにとって部下の初めてのミスはカワイイものです。「自分もこんな時代があったなぁ」と微笑むことでしょう。しかし、同じミスが何度となく続いた場合、笑顔も段々と薄れていくってものです。

2回目のミスには「次からやるなよぉ〜」と冗談口調で対応します。3回目のミスとなれば「ちゃんとやってくれよ!」と少々語気を強めた助言でもしときますか。もちろん、本当に怒っているわけではありません。ただ、4回もミスが続けば「本当に見返したのか?」と問いかけたくなります。怒りを込めつつ「仕事ナメてる?」と聞きたくなります。それ以上のミスともなれば我慢も限界です。怒りが爆発!なりふり構わず「お前さ、仕事を真剣にやらないなら辞めろ!」と感情赴くままにキレたいものです。

しかし、アナタはキレません。大声を出し、注意でもすれば「パワハラ」認定されると知っているからです。激昂は心の中に秘めておきます。表面的には落ち着いた上司を装いつつ、部下に「ミスをしても責任とらなくていい立場の君が羨ましいよ」「そして、ミスの修正を俺がやり、君は定時にあがると……」と嫌味をぶつけます。ミスを立て続けに起こす部下に対して怒ることを我慢しているのだから、「一つや二つの嫌味ぐらいなら許されるだろう」とアナタは考えています。

気持ちはわからなくもないですが、ネチネチと「繰り返しの嫌味」を言うのはコンプライアンス的に問題です。「ミスが多い」という理由があったとしても部下を責め続ければ、アナタはパワハラ加害者となってしまいます。
かたや嫌味を繰り返された部下のモチベーションは下がる一方です。自信と積極性を失う代わりにミスの隠蔽や責任転換の思考を増やします。ミスを起こしがちな人を責めても、改善されることは稀なんです。極論を言えば意味ないんです。

部下のミスが続いた時、アナタはイラつく気持ちを抑えつつミスの原因を追及しましょう。「なぜ繰り返してしまうのか……、なぜアイツだけ繰り返してしまうのか……」と。部下の性格、特徴、能力、立場を考えて、ミスを繰り返さないための対策を考えてあげてください。かなり面倒ですが……。

教 訓

ミスは小言で減るほど、甘くない。イラつく気持ちはグッとこらえて、ミスの原因を追究せよ!