アナタの“ワーカーズ・ハイ”VS上司の義務

時折、自分の予想以上に仕事が捗ることがあります。頭はクリアで気分も爽快、時間を忘れるほど仕事に没頭できます。そんなアナタは得意満面、良い意味で調子に乗っている状態といえるでしょう。例えるならば“ワーカーズ・ハイ”、こんな時は感覚が麻痺し「疲れていても辛くない」とさえ感じます。

ノリノリのアナタ、感覚も研ぎ澄まされています。それゆえ、背後に立つ上司の気配もすぐに察知しました。上司はアナタが作成した資料に目を向けています。数ページめくった後、「おい、ここミスしているぞ」と言ってきました。せっかくいい気分で仕事をしていたのにリズムが狂いそうだ……、とアナタ。「ムッ」とした表情で振り返り「ハイ、直しますー」と空返事。無礼な態度を上司は「調子が良い時ほどうっかりミスしがちだからなお前は!」と受け流し、アナタの肩をポンポンと叩きました。続けて「ハハハッ、ミスはすぐ直す!ハハハッ」と笑い、去っていきました。

「コイツ、腹立つわ……」と思いつつ、アナタは仕事を再開します。しかし、先ほどの調子が取り戻せません。上司の言葉で良い気分に水を差されたせいか“ワーカーズ・ハイ”が消滅。さらに上司に対するイライラから仕事への熱意は急速に冷めていきました。

怒ったアナタは「コレはパワハラだ!」と訴えたくもなるでしょう。しかし、よーく考えてみてください。コレが上司の仕事なんです。部下の業務ミスを指摘し、気を付けるように注意することは上司の義務です。アナタの“ワーカーズ・ハイ”による爽快感が失われたことは上司にとっては関係のないこと。自分の感情に任せ、騒ぎたてるとアナタの方がコンプライアンス違反となります。
耳の痛くなる指摘を受け「ムッ」となることも理解できます。しかし、謙虚に指導を受け入れることも従業員の義務。気ままに“ワーカーズ・ハイ”を楽しみつつ、自由にやりたいアナタはもしかしてフリーランス向きなのかも……

教 訓

自己中心的に考えるのは危険。指摘とパワハラは別物だと知って!