ニュース概要
会社などの組織の不祥事を通報した人の保護を強化する改正公益通報者保護法が2025年6月に成立・公布され、2026年中にも施行される見通しだ。 改正前も通報者に対する解雇や懲戒処分などの報復は禁止されていたが罰則はなかった。 しかし、改正後は報復をした事業者や担当者には罰金や拘禁刑が科される。また、処分に対して通報者が民事裁判で争った場合、事業者側が公益通報を理由としたものではないことを立証する責任を負うこととなっている。 そのほか、通報窓口を適切に整備しない場合に罰則が科される、通報者の範囲が拡大されフリーランスも含まれるなどの点が改正された。
このニュースに一言
公益通報者保護法の改正により、通報者の保護が強化されました。内部通報をめぐっては兵庫県知事のパワハラを通報した職員が特定され、懲戒処分後に自死する事案が発生し、社会的な関心が高まりました。このような行為は公益通報を阻害する要因であるとして、今回の改正では通報者を特定する行為も禁止されています。 また、一般的に企業の通報窓口では、同法が保護する一定の法律違反に関する「公益通報」に加え、法令違反以外の事柄も幅広く受け付けています。これらの通報のうち、同法の対象とならないものについても、通報者の氏名や通報内容は社内規程により適切に管理され、不利益な取り扱いを受けないよう保護されます。 これらの仕組みは、課題や不正を早期に把握し、再発防止や健全な職場づくりにつなげるための重要な手段です。社員一人ひとりの声が、会社全体の信頼と安全を支える力となります。
法改正による通報者保護の強化は、不正を見過ごさない企業文化を根付かせるよい機会です。会社も、従業員の皆さんが安心して声を上げられる体制づくりに一層力を入れています。 |