靴の製造・販売大手会社 不当返品で下請法違反

靴の製造・販売大手会社が、製造業務を委託している下請業者に商品を不当に返品したとして、公正取引委員会は2020年4月10日、同社の下請法違反を認定し、再発防止を勧告した。
同社内で納入後の品質検査が行われていなかった商品が、後から傷や汚れが見つかったことを理由に、計26社に1147万円分の商品の返品を要求。その中には、8年前に納品されたものもあった。同社は返金分の代金と送料を下請業者に支払うという。

(公取委HP、日経新聞)

【このニュースに一言】

同社には、販売店やお客様からクレームがあった商品のうち、社内ルールに基づいて、製造元である下請業者に責任があると判断したものを送料着払いで返品していたようです。
下請業者に責任のある不良品を返品するのは正当なことですが、どのような場合でも認められる訳ではありません。
下請業者にとって、“不良品はいつ返品されるかわからない”という状態は、“売上が取消されて、返金の可能性がある”という状態が続くということです。それは資金繰りに余裕の少ない企業にとっては大問題なのです。
優位な立場にある委託元企業は、そのことを認識しなくてはなりません。
また今回の問題は、同社の品質管理への信頼性について、お客様から疑念を持たれかねないものでした。同社の商品は、長年にわたる誠実な企業活動の結果、世間から品質の高さが認めらているものです。同社には、今回のことをきっかけに、商品製造に協力する下請業者、同社商品を信頼して購入するお客様など、様々な人に支えられていることを再確認して欲しいと思います。