説明会予約を一方的にキャンセル 大手飲食店

2022年5月、大手飲食店は、採用担当者が本人に確認しないまま外国籍であると判断して、就職説明会の予約を一方的にキャンセルするようなメールを送信したことを発表した。
「外国籍は就労ビザの取得が難しいため、内定となっても入社ができない可能性がある」などの理由で、説明会の予約をキャンセルするメールを送信していた。メールを受け取った「ハーフだけど日本生まれ日本育ち国籍日本」とする学生が、同社の対応が一方的だとして批判する内容をツイッターに投稿。同社は事実を認め、「学生への説明や確認が不足していた」と謝罪している。

【このニュースに一言】

同社では、2022年4月に、当時の役員がオンライン講座で女性蔑視発言をしたとして、解任になるなどの問題がありました。これは別の事件ですが、その根本にはどちらも、「女性や外国籍の人の立場で、相手の気持ちを考えられなかった」ことがあったと思えます。自分の思い込み、無意識の差別や偏見は、知らずのうちに「相手のことを考える」ことを妨げます。
今回の採用担当者が行った対応は、個人的なミス、確認漏れが主な原因だったかもしれません。しかし、ニュースなどの報道を見た人のなかには、会社全体に「性別や国籍への偏見・差別意識がある」と捉えてしまった人も多くいたのではないでしょうか。差別や偏見は、同社の企業理念にも反しているはずです。企業理念に立ち返った研修や教育を、あらためて行い、気の緩みや思い込みを正していって欲しいと思います。