ハラスメント対応編 解説

問題1

同僚のAさんは、Bさんが嫌がっているのに、いつも些細なことでしつこくからかっている。
自分は被害者ではないが、Aさんはやり過ぎだと思うので、上司に相談して、上司からAさんに注意してもらった。

正解:「適切な対応である」
ハラスメントを受けている人は、悩んでいても自分からは被害を訴えることができない場合があります。
職場内でハラスメントを見聞きしたら、行為がエスカレートするのを防ぐためにも、上司や相談窓口に早めに相談し、解決に向けて動きましょう。
ハラスメントを撲滅し、健全な職場を作ることは、一人ひとりの義務と考えましょう。

問題2

職場で発生したハラスメント問題で、当事者が呼び出されて事情を聞かれたようだ。
周知になっていることだが、噂話などで話題にするのは慎むべきだ。

正解:「適切な対応である」
職場で発生したハラスメントについて噂話をすると、被害者がさらに傷ついたり、事実関係が歪められて広まってしまうなど、二次被害につながる恐れがあります。
調査があった事実を知ったとしても、みだりに噂話をしたり、口外してはいけません。

問題3

育児中のCさんに、大量の仕事を依頼していたことが、マタニティハラスメントではないかと問題になった。
そこで今後は、できるだけCさんには仕事を頼まないようにした。

正解:「適切な対応とはいえない」
本人の要望を確認せずに、仕事を依頼しないことは、Cさんの仕事を奪い取る結果になる恐れがあります。まずは、本人の要望を聞いた上で、仕事量を調整するなどしてください。
ハラスメントの解決に際しては、判断を誤ると、新たなハラスメントとなりかねない場合がある点に注意してください。

問題4

部下のDさんから、同僚の男性社員のセクハラ行為について相談された。
Dさんは、大ごとにならないように解決してほしいということだったが、事実関係を明らかにするため、その男性社員を呼び出して事情を聴き、気をつけるように伝えた。

正解:「適切な対応とはいえない」
ハラスメントの解決は、初動対応を誤ると深刻化する場合もあります。このケースの場合は、被害者の「大ごとにならないように」という意向を最優先させてください。
被害者の意向を無視すると、解決しても被害者が職場に居づらくなる、報復されるなどの二次被害につながる恐れがあります。
相談を受けたものの適切な対処方法がわからない場合は、被害者に対して、相談窓口やカウンセラーに相談するなど、専門部署・専門家の力を借りるよう伝えてください。

問題5

ある部下から、「先輩社員からパワハラを受けている」という相談があった。
しかし、日頃から問題行動の目立つ部下だったので、自身の行動にもパワハラを招く原因があるのではないかと指摘して帰した。

正解:「適切な対応とはいえない」
ハラスメントの申し立てに対し、行為そのものではなく「人」で判断してしまうと、問題点を正確に評価できない恐れがあります。
「あの人の言い分は大げさ」、「あの人がハラスメントをするはずがない」などの思い込みは禁物です。まずは、相談者の言い分を受けとめる姿勢で、よく聞いてください。
その上で、ハラスメントの行為者を注意する、相談窓口に相談するなど、適切な対応をしてください。