銀行員のSNS投稿で情報漏えい、私有スマホ持ち込み禁止へ
西日本シティ銀行は2026年4月、下関支店の女性行員が執務室内をスマートフォンで撮影し、写真共有SNS「BeReal.(ビーリアル)」に投稿していたと発表した。投稿には顧客7名の氏名や営業目標が記載されたホワイトボードが映り込んでいたほか、別の顧客1名の氏名・住所や法人19社の名称もSNS上で閲覧可能な状態だった。撮影は2025年1〜10月頃に複数回行われていた。同行は再発防止策として、執務室への私有スマートフォンの持ち込みを従来の「原則禁止」から「全面禁止」へ切り替えた。
【このニュースに一言】
投稿先の「BeReal.(ビーリアル)」には独特の面白さがあります。1日1回ランダムに届く通知から「2分以内」に撮影・投稿しなければならず、インカメラとアウトカメラが同時起動し、加工も一切できません。その結果、「飾らないリアルな日常」が共有されることになり、これが若年層から支持を集めています。
従来、SNSへの不適切な投稿を防ぐために「投稿前に一呼吸」「内容を精査する」といった、投稿前に立ち止まる行動を教育してきました。しかしBeReal.は立ち止まる時間を与えず、加工不可という制約によって見切り投稿という行動を取らせてしまいます。変な例えですが、人間の思考や心理を巧みにコントロールする「詐欺」の手法との共通点さえ感じさせます。
では、どう防止するか。もちろん、このSNSの問題点を教育していくことは欠かせません。しかし、それだけでは防止策として不十分です。物理的に不適切な投稿を止める仕組みが必要となります。
ニュースにあった「執務室へのスマホ持ち込み禁止」はその一案ですが、現代のスマホ利用の状況を考えると、すべての企業が同じ対応を取れるでしょうか。一部では、スマホの特定アプリを制御する仕組み(時間帯や場所によって起動させない等)も議論され始めています。どう対処するか?企業にとっては悩ましい問題でしょう。
BeReal.に限らず、新しい技術やトレンドの登場によって、従来の教育では対応できない事態が起こり得ます。それを前提に、常にアンテナを張り、知識をアップデートし続けること。これがコンプライアンス担当者にとって欠かせない役割であると、改めて認識したいところです。
