コンプライアンス部門の役割に関するアンケート
実施期間:2025/2/3~2/28
有効回答数:134件
近年、コンプライアンス専門部署の役割はますます大きくなってきていると思われます。
そのような中、重大なコンプライアンス違反(人権侵害)にも関わらず、経営陣からコンプライアンス専門部署に相談がなかった(発覚後、コンプライアンス部門が知ることになった)という事件が発生しました。
この点、貴方はどのように感じられましたか?
本アンケートでは、コンプライアンス専門部署について「専門部署に相談し、意見を仰ぐべき」とする回答が68.7%を占め、専門部署を頼るべきとする考え方が主流であることが明らかとなった。一方で、「経営陣の判断しだい(ケースバイケース)」とする柔軟な対応を支持する意見も23.9%あり、一定の裁量を認める現実的な視点も示されている。「その他」は6.7%であったが、自由記載にはその背景にさまざまな懸念や事情が表れていた。
自由記載では、専門部署の活用意義や必要性を訴える意見が多数寄せられており、「経営陣だけで判断するには限界があり、専門部署の知見を判断の補助にすべき」との声が目立った。
また、「事前に相談があれば問題の拡大を防げた可能性がある」「情報共有がなされない体制では初動対応が遅れる」など、組織の対応力向上を求める意見も多かった。
一方で、「中小企業では専門部署が名ばかりの存在である」「経営層がコンプライアンス部門を軽視している」といった現実との乖離を指摘する声もあった。さらに、「企業風土やガバナンスの不全」「通報制度の形骸化」など、構造的な課題にまで言及する意見も確認された。全体として、専門部署の信頼性向上と組織内での明確な位置づけ、経営層との連携強化、そして健全な企業文化の醸成が急務であることが浮き彫りとなった。