今年(2025年)のコンプライアンス関連の話題についての関心調査

実施期間:2025/12/1~12/31
有効回答数:154件

今年は、経営層・首長の私的スキャンダル、オンラインカジノ問題、芸能界のハラスメント、大規模な情報漏えい、会計不正、SNSによるデマの拡散など多くのコンプライアンス課題が報じられました。
コンプライアンス推進担当者として、“どの話題に強く関心があるか” の観点から、5段階でご評価をお願いしています。ぜひ、率直なご意見をお聞かせください。

以下の話題について、「関心がある度合い」を5段階で評価してください。

①トップ層(経営者・首長)の私的不祥事・説明責任

②一般層にも浸食してきたオンラインカジノ・違法賭博の問題

③芸能界・メディア業界で発生したハラスメント・性加害問題

④大企業で発生した情報漏えい・サイバー攻撃・ランサムウェア事件

⑤上場企業における会計不正・品質不正・検査不備

⑥SNSでの炎上や(特に選挙時での)デマの拡散など

⑦旅行業などにおける助成金・補助金の不正受給

2025年のコンプライアンス関連トピックの中で、最も高い関心を集めたのは「大企業で発生した情報漏えい・サイバー攻撃・ランサムウェア事件」であった。
「非常に関心がある」と回答した割合が5割を超え、「関心がある」を含めると約9割に達しており、他の項目と比較しても関心の高さが際立っている。
サイバー攻撃は、IT部門に限られた問題ではなく、事業継続や顧客情報の保護、ブランド価値の維持など、経営全体に影響を及ぼすリスクとして認識されていることがうかがえる。

次いで関心が高かったのは、「上場企業における会計不正・品質不正・検査不備」である。会計や品質といった企業活動の基盤に関わる問題に対し、多くの回答者が強い関心と問題意識を寄せていることが明らかになった。
不正が発覚した場合の影響は、業績や行政対応にとどまらず、取引先・顧客・投資家からの信頼低下につながる可能性があるため、「起こしてはならない不正」として重く受け止められていることが読み取れる。

その次に関心を集めたのが、「トップ層(経営者・首長)の私的不祥事・説明責任」である。経営トップの行動や発言が、企業や組織の価値観やガバナンスのあり方として評価される傾向が見られ、不祥事発生時の説明責任や対応の仕方が重要な論点として認識されている。単なる個人の問題ではなく、組織全体の信頼性に影響を及ぼす問題として捉えられている点が特徴である。

このほか、オンラインカジノ・違法賭博の問題、SNSでの炎上やデマ拡散、芸能界・メディア業界でのハラスメント、下請法・取引適正化、助成金・補助金などの不正受給なども一定の関心を集めている。これらのテーマはいずれも、法令を理解するだけでなく、現場でどのように運用されているか、組織としてどう対応しているかが問われる領域であり、実務との結びつきが強い話題であることがうかがえる。

全体として今回の調査結果からは、コンプライアンスが個別の違反対応にとどまらず、経営リスク管理、組織の信頼性、説明責任といった観点を含む総合的な経営課題として捉えられていることが明らかになった。特定の分野に限定されるのではなく、複数のテーマを横断して「企業としてどう信頼を維持するか」という問題意識が共有されている点が、本調査の特徴といえる。
 

今年のコンプライアンス関連の話題で、「特に教訓になったこと」「来年への課題」「感じた変化」などがあればご自由にご記入ください。

自由記載では、2025年のコンプライアンス関連事案を通じて、「ルールの有無」よりも「組織としてどう向き合ったか」が強く問われるようになったという問題意識が多く見られた。特に、経営トップや著名人によるハラスメント、不祥事への対応を教訓として挙げる声が多く、「トップが姿勢を示さなければ、現場のコンプライアンスは機能しない」「説明責任を果たさない対応が、かえって不信を拡大させる」といった意見が目立った。

来年への課題としては、下請法や取引適正化をはじめとする取引関係の健全化を挙げる声が多い。摘発や指導が相次ぐ中で、「どのように社内へ浸透させるか」「現場でどう判断すべきかが難しい」といった実務上の悩みがにじんでいる。また、「制度やルールがあっても、言える環境がなければ意味がない」「通報や相談のハードルが依然として高い」といった声からは、仕組みと運用の乖離が課題として認識されていることが分かる。

さらに、今年感じた変化として、「社会の目が一段と厳しくなった」「SNSやネット上での反応が早く、影響が大きい」といった意見が多く寄せられた。一方で、「何でも炎上しやすく、萎縮してしまう」「過剰反応ではないか」といった戸惑いの声もあり、コンプライアンスを巡る社会環境が複雑化している様子もうかがえる。

総じて自由記載からは、コンプライアンスが単なる法令遵守ではなく、組織文化、説明責任、現場運用を含めた“経営の姿勢”そのものとして捉えられていることが明確になった。来年に向けては、ルールを整えるだけでなく、「どう伝え、どう使われるか」を意識した取り組みが求められている。