電気機器メーカーのTOBでインサイダー取引

2020年9月、証券取引等監視委員会は、大手電気機器メーカーの株式公開買い付け(TOB)に関してのインサイダー取引をしたとして、愛知県の女性、東京都の男性二名それぞれに課徴金納付をさせるよう、金融庁に勧告を行った。
TOBについて、女性は同社役員だった知人から、男性は同社と文書開示に係る契約を締結していた会社に勤めている知人から、それぞれ情報を得て株式を購入。TOB公表後に株価は上昇、女性は約235万円、男性は約240万円の利益を得たという。

(公証券取引等監視委員会HP、産経新聞)

【このニュースに一言】

インサイダー取引には、業務上得た株価に関わる重要事実を自らが悪用するもののほか、本件のように第三者が漏えいした情報を悪用して行うものがあります。後者のインサイダー取引を防ぐためには、何よりも情報管理を徹底することです。漏洩した情報を知れば、今回のニュースのようにインサイダー取引の誘惑に負ける人が出てくるからです。株取引はシステム上で管理・監視が徹底されています。疑わしい取引はすぐに追跡・調査され、不正はすべて発覚します。インサイダー取引に「成功」はないのです。株価に関わる重要事実を知る立場の人は、その漏えいが普通の人(それは、家族や友人かもしれません)を犯罪者にしてしまう恐れがあること十分に認識しなければなりません。