社会人になると日々さまざまな文書を作成します。プレゼン資料、会議の議事録、日報などなど。 でも、がんばって伝えたいことを書いても、それが「わかりにくい」と相手にはうまく伝わりません。 実は、わかりやすくするのは意外と簡単。ちょっとしたコツを知っていればOKです。 そのコツとは、「切る」「区切る」ということ。短く切ったり区切ったりすることで、読者の脳への負担が減り、パッと理解できるようになります。 文章を書くのが苦手でも問題なし。誰でも簡単にできる「いろいろな切り方、区切り方」を6回に渡ってお届けします。 |
|
第3回 |
|
まいったなあ、また先輩に「お前の文章はあいまいな表現が多い。もっと明確に書け」って言われちゃった。自分ではかなり明確に書いたつもりだけどなあ。何がいけないんだろう? |
|
第1回では「文を短くする」こと、第2回では「箇条書きにする」ことをお伝えしました。これらを心がけるだけでも、かなり明確な文章になります。 さらに、ひとつひとつの文を書くときに、カッコやテン(読点)をうまく使うと、よりいっそう明確になります。たとえば、次の文を見てみましょう。 |
|
特許出願中のAI OMEGA-Jを組み込んだ独自サービスのご案内 |
|
あいまいなところがいくつかありますね。どんな点でしょうか? | |
「AI OMEGA-J」ってあるけど、これが名前なのかな? あと、特許出願中なのは、AI OMEGA-J? それとも独自サービス? どっちとも取れるよね。 |
|
そうですね。短い文なのに、2つの意味にとれる箇所が2つもありますね。書いている本人はわかっているので、「読者には」2つの意味にとれる、ということに気づきにくいのです。 まず、名称(固有名詞)です。これはカッコを使って「区切る」と明確になります。 全体が名称の場合 → 「AI OMEGA-J」 そうではない場合 → AIの「OMEGA-J」 仕事でよく使う固有名詞の中には、カッコで区切るとよいものがあります。固有名詞だということを明確にするためです。資料名、技術名、製品名、サービス名などがそうです。常にカッコ付きだと目障りなときは、最初だけカッコを付けるのでもいいでしょう。 さて次に、「特許出願中」なのは「OMEGA-J」なのか「独自サービス」なのかはっきりさせましょう。 方法は簡単。下のようにテン(読点)を追加するだけです。赤字が追加したテンです。 |
|
特許出願中の、「AI OMEGA-J」を組み込んだ独自サービスのご案内 |
|
これだと特許出願中なのは「独自サービス」ですね。 | |
特許出願中の「AI OMEGA-J」を組み込んだ、独自サービスのご案内 |
|
こちらだと特許出願中なのは「AI OMEGA-J」ですね。 このように、テン(読点)を使うと、どの部分を説明しているのかがはっきりします。 実は、もっとよい方法があります。それは第1回でやったように、説明する部分を切り出して、「文を分ける」方法です。これだと文が短くなり、もっと楽に読めます。 |
|
「AI OMEGA-J」を組み込んだ独自サービスのご案内 |
|
または | |
AIを組み込んだ独自サービスのご案内 |
|
なるほど。列挙するときは箇条書きか! |
|
まとめ 〜箇条書きのポイント〜 | |
|
|
カッコは「視覚的に明確に区切る」という効果があります。そのため、強調するときにも使えます。 |