文書作成の秘訣

社会人になると日々さまざまな文書を作成します。プレゼン資料、会議の議事録、日報などなど。
でも、がんばって伝えたいことを書いても、それが「わかりにくい」と相手にはうまく伝わりません。
実は、わかりやすくするのは意外と簡単。ちょっとしたコツを知っていればOKです。
そのコツとは、「切る」「区切る」ということ。短く切ったり区切ったりすることで、読者の脳への負担が減り、パッと理解できるようになります。
文章を書くのが苦手でも問題なし。誰でも簡単にできる「いろいろな切り方、区切り方」を6回に渡ってお届けします。

第4回
比較するときは表にしよう

まいったなあ、今日は先輩に「お前の資料は整理されてない。もっとスッキリと整理しろ」って言われちゃった。自分では整理して書いたつもりだけどなあ。何がいけないんだろう?

整理する方法の一つに「表にする」という方法があります。これは「情報をケイ線で区切る」ということです。こうすると情報がスッキリと整理され、簡潔・明確に伝えることができます。
何でも表にできるわけではありませんが、「比較する」ときには表にするのがおすすめです。
たとえば、次の例を見てみましょう。

サンドイッチとおむすびを比較する
サンドイッチは、具が洋食系、コーヒーと合う、パン(小麦)が主材、という特徴がある。
おむすびは、ご飯(米)が主材、具が和食系、お茶と合う、価格は100円〜200円、という特徴がある。

比較した文章としてはいろいろ問題がありますね。どんな点が問題でしょうか?

特徴として書いてある順序が、サンドイッチとおむすびで異なっているなあ。たとえば、「具」について、サンドイッチは最初に、おむすびは二番目に書いてある。それから、おむすびの「価格は100円〜200円」に対応することがサンドイッチには書いてないよね。

そうですね。比較することを文章で書いていくと、このような不整合に気づきにくいのです。このまま表にしてみましょう。

サンドイッチとおむすびを比較する
表1

なるほど。順序が対応していないのが一目瞭然だなあ。特徴の数が食い違っているのもすぐわかる!

そうですね。これだけ食い違っていることに気づくと、きちんと対応させたくなりますね。 順序を入れ替え、不足している情報を補ってみましょう。

サンドイッチとおむすびを比較する
表2

だいぶ比較しやすくなったなあ。でも、まだスッキリしない感じがするけど・・・

すっきりしない感じがするのは、それぞれの特徴がどんな観点からの比較なのか、パッとわからないからです。たとえば、「具は洋食系」というのは「具」という観点からの比較ですね。
では、比較の観点が明確になるように表を手直ししてみましょう。

サンドイッチとおむすびを比較する
表3

表の一番上に1行追加して、そこに比較の観点を書くわけですね。ここに書いた「具」「合う飲み物」「主材」「価格帯」を「項目名」と言います。そして、項目名が書かれている、一番上の行を「表頭(ひょうとう)」と呼びます。

うん、これなら比較しやすい。でも、こうやって整理すると、項目の順序が気になるなあ。具→合う飲み物→主材→価格帯、でいいのだろうか。

そのとおりですね。表は左から右へと見ることが多いので、重要性が高い情報を左側に置きます。 並べ替えてみましょう。

サンドイッチとおむすびを比較する
表4

うん、これなら納得。表は、情報をパッと比較できることが改めてわかった。これからは、比較するときは「表にできないか」って考えることにしよう!

まとめ 〜表のポイント〜
  • 比較するときはマトリクス(表)がおすすめ
  • 比較の観点が明確になるように作る

表の一行目に追加した部分を「表頭(ひょうとう)」と呼びます。
また、「サンドイッチ」「おむすび」が記載されている、表の左側部分を「表側(ひょうそく)」と呼びます。
表5

「比較の観点(主材)」と「比較の対象(サンドイッチ)」を、表頭あるいは表側に記載します。どちらをどちらにしてもかまいません。表の縦軸と横軸が入れ替わるだけです。 どちらが見やすいか、理解しやすいか、作りやすいかなどを考えて決めます。
表6

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