フリーランス法違反で初勧告 小学館、光文社
2025年6月、公正取引委員会は、小学館および光文社に対してフリーランス法違反を認定し、再発防止を求める勧告を行った。両社は、フリーランスのライターやカメラマンに対し、報酬額や支払期日などの取引条件を明示しなかった、期日までに報酬を支払わなかったなどの違反行為があったとしている。2024年11月に同法が施行されて以来、今回が同法に基づく初めての勧告となる。
小学館では191人、光文社では31人のフリーランスに対して違反行為があった。両社は謝罪し、社内体制の改善および法令順守の強化に取り組む姿勢を表明している。
【このニュースに一言】
フリーランス法では、業務委託に際し、報酬額や支払期日などの条件を、書面やメール等で明示する義務や、支払期日を成果物の受領後60日以内の早い日とする義務など、今回違反が認定された事項を含む、さまざまな義務が発注者に課されています。
フリーランスの多くは、企業と比べて交渉力や情報面で不利な立場に置かれやすく、不利益を被ることも少なくありません。こうした背景を踏まえ、同法は、公正な取引関係を確保し、フリーランスが安心して業務を受託できる環境を整えることを目的として制定されました。
たとえ長期にわたる取引関係があり、口頭での発注や発注者の都合による支払いが慣習となっていたとしても、それは法令違反であり、認められるものではありません。今一度、法令に基づく適正な発注手続の徹底が求められます。