職場で気になる“不機嫌サイン”アンケート

職場で気になる“不機嫌サイン”アンケート

調査対象: コンプライアンス啓発責任者、担当者
有効回答数:138件
調査期間:2026/6/1~6/30
調査手法:Webアンケート
調査機関:弊社調査

いよいよ梅雨入りの6月。
湿気、低気圧、満員電車、乾かない洗濯物……。つい気分がどんよりしてしまう季節です・・・

ただ、そのどんより気分が職場に持ち込まれると、周囲は意外と気を遣っているかもしれません。
最近は、不機嫌な態度で周囲にストレスを与えることを、「フキハラ」=不機嫌ハラスメントと呼ぶこともあります。
今回は、職場で見聞きする“不機嫌サイン”についてお聞きします。

あなたの職場では、次のような“不機嫌サイン”をどのくらい見聞きしますか?それぞれについて、あてはまるものを1つずつお選びください。

「よくある」「たまにある」を集計

職場で見聞きする“不機嫌サイン”について、「よくある」「たまにある」の合計が最も高かったのは、「機嫌によって周囲への対応が変わる」の58.7%であった。次いで、「挨拶をしても無視したり、反応が薄い」が50.7%と半数を超え、「周囲に聞こえるようにため息をつく」が44.9%、「話しかけると不機嫌そうな反応をする」が40.6%となった。一方、「キーボードやドアなどを乱暴に扱う」と「チャットやメールで冷たい言葉を使う」は、ともに25.4%であった。

この結果から、物に当たる、強い言葉を使うといった露骨な行動だけでなく、相手によって態度を変える、挨拶に反応しない、ため息をつくといった、日常の中で繰り返される小さな態度の変化が、不機嫌のサインとして広く認識されていることが分かる。特に、機嫌によって対応が変わる人が身近にいると、周囲は「今は話しかけてもよいか」「何か怒らせたのではないか」と相手の感情を読みながら行動するようになる。その結果、本来は業務に向けるべき意識や時間が、相手への気遣いや様子見に使われることになる。

また、本人に相手を威圧する意図がなくても、無言、薄い反応、ため息などは、受け手にとって拒絶やいら立ちの表明と受け取られる可能性がある。不機嫌な態度が職場で常態化すれば、相談や報告が遅れ、意見や質問を控える雰囲気を生みかねない。感情の波そのものをなくすことは難しいが、自分の不機嫌が周囲にどのように伝わっているかを意識し、挨拶や返答など最低限のコミュニケーションを保つことが重要である。

個別設問の結果

周囲に聞こえるようにため息をつく

話しかけると不機嫌そうな反応をする

キーボードやドアを乱暴に扱う

挨拶をしても無視したり、反応が薄い

チャットやメールで冷たい言葉を使う

機嫌によって周囲への対応が変わる

舌打ちや不満の独り言を繰り返す

「自分だけが大変だ」と周囲に訴え続ける

あなた自身について、忙しいときや気分が沈んでいるときに、問1のような態度や言葉が出てしまうことはありますか?

忙しいときや気分が沈んでいるときに、問1で挙げたような態度や言葉が自分に出てしまうことについて、「よくある」と答えた人は0.7%、「たまにある」は35.5%で、合計36.2%であった。一方、「あまりない」は50.0%、「全くない」は12.3%で、合わせて62.3%となった。「わからない」は1.4%であった。

日常的に不機嫌な態度を取っていると認識する人は少ないものの、3人に1人以上が、状況によっては自分にも不機嫌さが表れることがあると自覚している。これは、不機嫌な態度が一部の人だけに見られる特別な問題ではなく、忙しさ、疲労、焦り、気分の落ち込みなどによって、誰にでも起こり得るものであることを示している。

一方で、「あまりない」「全くない」と考えている人の中にも、自分では気づかないまま、返事が短くなる、表情や声の調子が変わる、相手への反応が薄くなるといった変化が生じている可能性はある。本人に不機嫌を示す意図がなくても、周囲はその態度を敏感に受け取り、話しかけることや相談することをためらう場合がある。重要なのは、感情の波を完全になくすことではなく、余裕がないときほど自分の態度が周囲にどう見えているかを意識することである。すぐに対応できない場合も、その理由や後で対応する時間を言葉で伝えるなど、相手を拒絶しているわけではないと示す配慮が求められる。

職場で、周囲の機嫌によって「話しかけやすい/話しかけづらい」と感じた経験があれば教えてください。(自由記載)

自由記載では、周囲の表情、声の調子、挨拶への反応、目線、動作などから相手の機嫌を察し、話しかけるタイミングや相談・報告の方法を変えている様子が数多く示された。話しかけづらいと感じる態度としては、挨拶を返さない、目を合わせない、パソコンから顔を上げない、低い声や投げやりな口調で返事をする、ため息や舌打ち、独り言を繰り返す、キーボードを強く打つといった行動が挙げられた。「話しかけても『あとにして!』と突っ返される」「不機嫌な上司は朝から分かる」「顔を見ているだけで不機嫌な状態だと分かり、周囲は地雷を踏まないように気を使う」など、相手の感情が周囲にも明確に伝わっている事例が見られた。

こうした態度を受けた側は、単に不快に感じるだけでなく、その後の行動を変えている。「何か気に障ることをしたのだろうかと悩み、相談しにくくなってほかの人に聞く」「一度冷たい態度を取られると、相談前に相手の予定や様子を確認する」「不機嫌そうな態度が続くと、報告や確認を後回しにしたくなる」といった回答が多く寄せられた。中には、「前の会議で大声を出して部下を叱っているのを見ると、次の会議で意見を言いにくい」「重要な報告であっても、機嫌が悪そうだと今はやめておこうと思う」との声もあり、本人に直接強い言葉を向けていなくても、周囲の発言や情報共有を抑制する可能性があることが分かる。

一方、話しかけやすさを生む行動も具体的に挙げられた。「忙しいときでも手を止め、体ごとこちらを向いて話を聞く」「今は無理でも、後から声をかけると伝えてくれる」「『これが落ち着いたらでよいかな。何時ごろには声をかけられそう』と具体的に返してくれる」などである。すぐに対応できることよりも、相手の存在や用件をいったん受け止め、対応可能な時間を言葉で示すことが安心感につながっている。また、「上司の方から席に来てこまめに声をかけてもらえると、小さなことでも聞きやすい」「普段から挨拶をする人には話しかけやすい」「いつ声をかけても笑顔で対応してくれると、自分も相手のために何かをしたいと思う」といった回答から、日常的な挨拶や声かけの積み重ねが、相談しやすい関係をつくっていることもうかがえる。

回答には、不機嫌な態度を一律にハラスメントと判断することの難しさを指摘する意見もあった。人には気分や体調の波があり、忙しさや人員不足によって一時的に余裕を失うこともある。また、本人にとっては癖や元来の話し方であり、悪意がない場合もある。しかし、問題となるのは不機嫌であること自体よりも、その態度によって周囲が必要な報告、確認、相談を控えるようになることである。個人の感情が職場全体のコミュニケーションを滞らせれば、業務効率の低下だけでなく、ミスやトラブルの発見の遅れにもつながりかねない。

不機嫌を完全になくすことは現実的ではないが、挨拶を返す、相手を見る、返事をする、今は対応できない理由と対応可能な時間を伝えるといった小さな行動によって、周囲への影響は抑えられる。自分の機嫌を管理するだけでなく、「自分の態度が相手の報告や相談を止めていないか」という視点を持つことが、話しかけやすく、必要な情報が滞りなく共有される職場づくりにつながる。