ケアハラスメントってなに?

「ケアハラ(ケアハラスメント)」とは、働きながら介護を行う人に対して行われる嫌がらせや、不利益を与える行為のことをいいます。
たとえば、親の介護で残業ができない人に対し、「お前のせいで忙しくて大変だ」などの暴言を吐く行為や、介護休業の申請の相談に対し、企業側が申請の取り下げを促す、降格や配置転換を示唆する、自主退職を要求するなどの行為はケアハラに該当し、育児・介護休業法で禁じられています。
介護は突然始まることが多いうえに、先行きの見通しが立てにくいものです。職場に介護休業や時短勤務をする人がいれば、その人の仕事を肩代わりして周囲の負担が増すのは事実です。そしてそのことを不満に思い、嫌味を言ったり、八つ当たりをしたりすることがあるかもしれません。こうした状況を引き起こさないためにも、企業にはケアハラ防止の措置を講じるとともに、当事者以外の人の状況にも目を配り、適切な対応をとることが求められます。一方で、労働者の権利である介護休業制度などを気兼ねなく利用できるのは、誰にとっても歓迎すべきことのはず。同じ会社で働く人同士が互いの状況に配慮し、助け合う気持を持つことが、誰もが働きやすい職場づくりにつながるのではないでしょうか。