「信書の秘密」侵害か 局員がハガキを無断コピー

2018年11月18日、愛知県某市の郵便局員が、郵便物を無断でコピーしたり、他の局員に見せたりしていたことがわかった。調べによると、局員は特定記録郵便として郵送されたハガキ一枚の内容を見て、先輩局員に「きつい文言が書かれたハガキがある。配達しても良いか」との相談をした。管理者がいなかったため、相談された局員はハガキをコピーしてから、通常通りに配達するようにと指示。その後、相談された局員は他部署の局員に「配達させてしまったが大丈夫だったか」とコピーを見せて相談したという。

【このニュースに一言】

「信書の秘密」は、基本的人権として憲法で保障されています。ハガキなどの信書の内容や差出人などの情報は、他人に見られることなく受取人に届けられなければならず、また郵便局の職員は、業務上知ったこれらの情報を守る必要があります。但し、ハガキの「きつい文言」が、受取人への脅迫だった場合は、守られる「信書の秘密」に該当しないとされる場合もあります。
今回、ハガキを偶然内容を目にした同局員が「脅迫ではないか」と不安に感じて、取った行動だったのかもしれません。しかし、管理職に相談もせずに「信書の秘密」を侵害の可能性のある行為が行われてしまったことは、「今後、気をつける」では済まない重大な問題です。
今回の原因は、無断でコピー等を行った局員個人の問題ではなく、郵便局内の教育指導、コンプライアンス意識啓発の欠陥という組織の問題だったのではないかと思います。