外国人実習生に残業代未払いで訴訟

茨城県の農家で外国人実習生として働いていた中国人女性が、残業代未払い分の支払いなどを求めた訴訟が行われていた。2018年11月10日、水戸地裁は農家に対し、未払い分と制裁金を合わせた約200万円の支払いを命じる判決を出した。2013年頃、女性は、大葉栽培をする農家で勤務。17時以降の残業時間帯にも10枚ずつ大葉をゴムで束ねる作業を行っていたが、1束2円の賃金しか支払われなかった。時給に換算すると400円程度で労働を強いられていたという。農家は技能実習の労働契約とは別の請負業務だったと反論したが、裁判長は「農家の指揮監督下で行われ、雇用契約に基づくものだ」と判断した。

【このニュースに一言】

法務省の発表によると、外国人実習生に関する不正行為は2017年で計299件確認されています。その中の約半数をしめるのが賃金の不払いで、その隠蔽を目的とした書類の偽造も多く見られていました。外国人実習生が安価な労働力として不当に扱われているという例が多数あるのではないでしょうか。
政府は今後、人手不足の解消策として多くの外国人労働者を受け入れていく姿勢を示していますが、外国人労働者が安心して働くことができる環境を整えることが先決ではないかと感じます。今すでに周りに外国人労働者がいるという人は、ともに働く仲間として、何か悩んでいる様子はないか、また不利益な扱いを受けていないか、一人ひとりが気を配ることからはじめてみてください。