どうしたら防げた?大手保険会社の男性社員、26人から1.9億円をだまし取る

2016年9月8日、外資系大手保険会社は、同社の男性社員が、顧客26人から約1億9千万円をだまし取っていたことを発表した。男性社員は、顧客と架空の保険契約を結び、現金を受け取り、偽造した保険証券を渡していた。今年の8月に当該の顧客から会社に保険内容の照会があり、発覚した。同保険会社は、ほかに被害がないか調査しているという。

 

【このニュースに一言】

「どうすれば、今回の被害を防ぐことができたのか?」

一般の人にとって、保険契約はたびたび行うものではないので、保険契約の手続きに「おかしな点」があることを見つけることは難しいことです。もちろん偽造された保険証書を偽物と見抜くことも同じです。「保険会社に確認すれば、すぐわかるじゃないか」と言う人もいると思います。しかし、営業担当者を信じて保険契約を結ぶのですから、「心配だから、確認してみよう」と思うのは、あまり期待できないのではと思います。

そこで、防ぐための方法を2つ考えてみました。

1)保険契約の手続きのなかに、本人から保険会社への電話もしくはWeb上での確認プロセスを入れる。これは日本国内で販売する個人向け保険全てに適応し、国が主導して、そのことを国民に周知する。また保険会社にはあらゆるパンフレットにそのプロセスがあることを明示する義務を持たせ、同プロセスの周知に協力してもらう。「保険に入ったら、最終チェックを電話かWebでする」を常識にするということです。

2)やはり、基本はコンプライアンス教育を徹底させることも重要。今回の不正のように個人が「悪意」を持てば、防ぐのが難しいものは、とにかく「悪意」を芽生えさせない、持たせない教育、意識啓発が大切です。仕事の使命感を強く持たせることや、「結局、バレる不正」であることを事例を使い実感させることです。