地方銀行行員が、他人の口座預金で顧客に融資!

2015年11月、地方銀行の男性行員が、担当する顧客の預金口座から預金を不正に引き出し、別の顧客へ融資をしていたことが分かった。同行員は、2013年8月から2015年10月までの間に行った8件の融資に、計6つの顧客の預金口座から合わせて2億2800万円あまりを不正に流用していたという。

「顧客の融資の手続きが約束した期限に間に合わず、不正を行った」と同行員は話している。これらの不正行為を受けて同行の頭取は「信用を第一とする金融機関でありながら、このような事態を招き申し訳ない。今後は内部の管理体制を一層強化するなど、再発防止に努めたい」とコメントしている。

 

【このニュースに一言】

同行では、2015年9月にも別の支店でパートタイマーが、顧客から預かった税金等の一部を着服するという事件が発覚しています。今回の事件も9月の事件も、一度の不正ではなく、およそ2年間の長期にわたって不正が複数回行われていたものです。これは不正を行った者だけのコンプライアンス意識に問題があったのではなく、周囲の(あるいは銀行全体の)コンプライアンス意識にも問題があったのではないかと思います。いくらチェックする仕組みがあったとしても、それを行う人たちのコンプライアンス意識が低ければ、その仕組みは無いのと同じです。

銀行全体の基本的なコンプライアンス意識の向上が必要なのかもしれません。