長年続く社内の賭博行為 大手鉄道会社グループ

2015年11月5日、大手鉄道会社は、同社の総合車両センターや同社グループ会社の従業員が、高校野球甲子園大会の優勝校を予想する野球賭博をしていたと発表した。同社の調べによると、春と夏の高校野球甲子園大会を賭けの対象とし、総合車両センター内に参加者を募るチラシを掲示していたとのこと。1口500円で優勝校を予想する仕組みで、春の大会には66人が参加し総額13万円、夏の大会では82人が参加し総額17万円の掛け金があったという。社員のなかには「国鉄時代から行われていた」と話すものもいた。

同鉄道会社は、「法令違反の意識はなく、ゲーム感覚でやっていた。あってはならないことで、再発防止に取り組む」旨のコメントを行い、関わった社員の処分を検討するとしている。

 

【このニュースに一言】

日本では、一部例外的に認められているもの(競馬、宝くじ等)以外の賭博は、違法行為として処罰されます。殺人や窃盗のように「もともと許されないこと」と考えられる罪と違い、賭博は犯罪意識が低くなりがちなものです。特に今回のように仲間うちだけで行われる野球賭博は、娯楽という意識が大きく、「やってはいけないこと」と考えなかったことは、理解できなくもありません。

一方、「企業にとってコンプライアンスは当然のこと」となったいま、会社として、社内に堂々と野球賭博のチラシが貼られるような状況を長年放置してきた大手鉄道会社のコンプライアンスを、どう考えれば良いのでしょうか。同社でも、コンプライアンス推進活動は行われていたと思います。しかし、現場のひとり一人まで伝わるものとなっていなかったのではないでしょうか。

JR東日本のコンプライアンス推進活動の実効性が向上することを期待したいと思います。