部下が上司を評価する!「360度評価」制度を導入と発表 財務省

2018年10月19日、財務省は組織改革案の中間報告を行い、2019年中に上司と部下がお互いに評価する「360度評価」制度を導入予定であると発表した。
同省は、文書改ざんやセクハラなどの不祥事を受け、今後の不祥事防止を目指す「財務省再生プロジェクト」を進めている。「360度評価」とは、上司から部下のみではなく、部下から上司、同僚からなど、複数の評価者によって多面的に評価する手法。
そのほかに、内部通報制度の整備や、幹部職員向けのコンプライアンス研修なども予定しているという。

【このニュースに一言】

同省の度重なる不祥事には、複数の幹部職員が関わっていました。問題のある行動を見かけても、部下が上司に指摘しづらい環境であったことが、不祥事が起きてしまった原因の一つであると考えられます。「360度評価」により、複数の人から様々な視点で評価されることで、客観的に自分を知ることができます。その結果、無意識に行っていた自身の悪い言動を改善するといった効果が期待できます。
同省は今後導入にあたって詳細なルールを決めていくとしていますが、「360度評価」が有効に機能するために大切なのは、評価する側、評価される側の両方が「お互いを高めあおう」「より組織を良くしていこう」という意識を持つことです。客観的事実を踏まえず、褒めたり、貶したりといった主観のみによる評価は禁物です。