学術論文のデータに捏造や改ざん 愛知県の某大学

2018年3月10日、愛知県の某大学は、同大歯学部の講師らが発表した学術論文のデータに捏造や改ざんがあったことがわかったと発表した。「2013年に発表された論文の中に不自然なデータが存在する」という匿名の通報を受け、同大が調査を行ったところ、論文内に使用されている画像に反転・切り貼りなどがあったことが発覚。論文の主旨に関わる捏造や改ざんにあたるとして、大学は論文の取り下げを勧告した。今後関わった講師らの処分について審議するという。

【このニュースに一言】

人の目に触れるものである以上、捏造・改ざんはいつか絶対に発覚します。また、データの捏造や改ざんは、論文の価値だけでなく、研究者としての価値をも失わせる行為です。講義や研究の信憑性は薄れ、「信用できない講師から学びたくない」と学生も集まらなくなるおそれがあります。
同大は、捏造・改ざんを行った者だけでなく、研究監督者などの数名にも責任があると判断しました。形式的なチェックだけでは意味がありません。データが正しいかどうかチェックがしっかりと行われていれば、不正を未然に防げたかもしれないのです。直接不正を行っていなくても、責任を問われる可能性があることを意識しましょう。