消防司令長らパワハラで処分  三重県

三重県志摩市は、2022年2月、同市の消防本部でパワーハラスメントがあったとして、消防指令長ら市職員3名への停職や減給の懲戒処分を行ったことを発表した。
パワハラは、市が全消防職員を対象に実施した匿名のアンケートで発覚した。暴力や暴言、容姿や学歴を馬鹿にするような発言や長時間の叱責、送迎や文書作成等の私的な用事を依頼し、断った職員を無視するなどの行為があったという。

【このニュースに一言】

同消防本部では最長で10年前から、暴力や暴言をはじめとした様々なパワハラが続いていたそうです。今回、パワハラを受けて苦しんでいた職員らは、市が実施した匿名のアンケートによって、やっと声を上げることができました。長年続く、常態化しているパワハラになると、職場内での自浄作用には期待できず、何か外部からの働きがなけがなければ、解消できないものなのでしょうか。
今回のようなパワハラのニュースは、様々なメディアで繰り返し流れてきます。そのなかには、消防署がパワハラの現場となるものが何度かありました。全国にある消防署の人たち(特に管理の立場にある人)は、同じ消防署で起きたパワハラのニュースを聞いてどう思ったのでしょうか。他人事と考えていたり、「自分の署には、パワハラはない」と安易に決めつけていたりしたら、とても残念です。パワハラは、どこにでも起こり得るものです。ちょっとした悪ふざけが、いつのまにかパワハラになっていることも当たり前のようにあります。
「自分たちと同じ仕事をするところで起きたなら、もしかすると自分のところにも・・・」と思う人が、(できれば組織の上層部に)いれば、きっと職場内の自浄作用は働くはずです。

2022年4月からは中小企業においても改正労働施策総合推進法(通称・パワハラ防止法)が対象となります。企業全体、そして従業員一人ひとりが、「パワハラを許さない」という意識を持ち、パワハラ防止を進めていきましょう。