発達障害者を動物に例えた書籍が炎上

三笠書房が4月発売の書籍『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』が、発達障害や精神疾患を持つ人々を動物に例えた表現で「差別を助長する」と批判を受けている。事前に公開されたカバーのビジュアルや用語、目次などが問題視され、出版社と著者は謝罪したが、当事者や支援者からは「偏見を助長する」との声が続き、出版差し止めを求める署名も開始されている。著者は「差別的意図はなかった」と述べているが、SNSでは批判が拡散し、出版社は、誹謗中傷に対して法的措置も検討している。

【このニュースに一言】

今回の書籍に関する議論は、表現の難しさと責任を改めて考えさせられる出来事です。発行前のカバーや目次などに含まれた表現が、発達障害の当事者や支援者の方々にとって不適切と受け取られ、批判が集まりました。著者や関係者は差別の意図はなかったと述べていますが、受け手の感じ方の想像が不足していたことは否めません。表現する人は、自身と受け手の間で意図と理解に差異が生じるリスクを認識し、多様な視点から確認し、配慮することが大切です。特に多くの人が目にする場所での表現は、さまざまな立場の人々がどう感じるかを想像し、表現に慎重さを持つことが求められます。
SNSの普及により、表現に対する反応が瞬時に広がるようになりました。不適切な表現が批判され、改められることは良いことです。しかし、表現の一部を切り取って非難することや、自身で内容を確認することなく、他人の非難に乗っかかることは、戒めなければなりません。
(補足)表現に問題はあるものの、この書籍の内容が発達障害等への理解や、それら障害を持つ人とのコミュニケーションに役立つと評価する声も見受けられました。