ほめただけなのにセクハラ扱い おかしくない?

自分では容姿や服装についてほめただけのつもりでも、相手がその発言を不快で働きづらいと感じた場合、その行為はセクシュアルハラスメント(セクハラ)にあたるかもしれません。
男女雇用機会均等法では、職場におけるセクハラを次の2つの類型で捉えています。

①対価型セクハラ
職場での性的な言動に対する拒否や抗議、抵抗などを理由に、解雇、降格、減給するなど労働条件において不利益を与えること

②環境型セクハラ
職場での性的な言動によって相手に苦痛を与え、就業意欲を低下させたり業務に専念できなくさせたりすること

相手をほめただけなのにセクハラ扱いされたというケースは、②の環境型セクハラにあたるおそれがあります。

性的な言動というと、性的な関係を要求する、不必要に身体に触れるなどの露骨な言動をイメージしがちですが、実際にはより広い範囲で捉える必要があります。たとえば、「モテそう」や「今日はデート?」などの発言は、相手の性的なプライバシーに関心を示すものと受け取られる場合があります。また、男女どちらかにしか使わないほめ言葉も、性別による役割の押しつけとして、セクハラと感じられるかもしれません。

この例のように、知らず知らずのうちにセクハラの加害者となってしまうことがあります。それを避けるには、自分がその言動をどう感じるかではなく、相手がどう感じるかに配慮した言動を心掛けることが重要です。相手がセクハラと感じるおそれがある発言は、自分で勝手に「大丈夫だろう」と判断せず、控えましょう。
評価していることを伝えるときには、容姿など業務に無関係な内容ではなく、「企画書、よくできていたね」「いつも細かいところに気づいてくれてありがとう」など、仕事の成果や日ごろの頑張りなどについてほめるようにしましょう。