ごま油でカルテル かどや製油に課徴金2,200万円

2025年5月、公正取引委員会は食用油メーカーのかどや製油、竹本油脂の2社に対し、独占禁止法違反で排除措置命令を出した。2社は、ごま油などの販売価格を不当につり上げるカルテルを結んだとされ、かどや製油には約2,200万円の課徴金納付も命じている。竹本油脂は、調査開始前に違反を課徴金減免(リニーエンシー)制度で自主申告したため、課徴金の納付は免除された。かどや製油は、「公正取引委員会と当社の間で見解の相違が生じている」として、東京地方裁判所に命令取り消しを求める訴訟を起こすとしている。

【このニュースに一言】

カルテルとは、ライバル企業同士が、商品やサービスの価格、取引数量、販売地域などについて、話し合って決めてしまう行為を指します。こうした行為は「不当な取引制限」として独占禁止法で厳しく禁止されています。今回の事例では、背景に原料であるごまの仕入れ価格の高騰があったとされます。しかし、公正取引委員会は、「たとえ製造コストの上昇があっても、カルテルによって製造コストの上昇分を商品価格に転嫁することは決して許されることではない」と強調しています。つまり値上げ後の価格が不当でなくても、「話し合って決める」行為自体が問題だということです。
カルテルにより、企業間の正しい競争がなくなると、消費者はさまざまな不利益を受けることになります。たとえば、本来より高い価格で商品を買わされる、商品の質やサービスが向上しづらくなる、選べる商品が少なくなるなどです。原材料などが高騰して価格転嫁が必要な場合でも、必ず自社だけで値上げを判断しましょう。絶対に他社と話し合って決めてはいけません。