メーカー5社に不当な減額 パルシステム

2024年10月、公正取引委員会はパルシステム生活協同組合連合に対し、不当な下請代金の減額があったとして、下請法違反で再発防止を勧告した。パルシステムは、2023年4月から2024年6月にかけて、プライベートブランド商品を製造するメーカー5社に対し、特売条件やDC利用料(入出庫保管手数料)などの名目で、合計約2770万円を発注額から不当に差し引いていた。パルシステムはすでに減額分を返金し、今後は再発防止への体制強化に努めるとしている。

【このニュースに一言】

パルシステムはホームページで、違反となった行為の詳細について公表しています。公表によれば、複数の商品をまとめて納品してもらう際に、「『特売商品があった場合は通常価格との差額を次の支払い時に引く』という取り決めを事前に下請事業者と行っていたが、その取り決め自体が違反であるという認識が欠けていた」としています。
立場の弱い下請事業者は、自社にとって不利な条件であっても受け入れてしまうおそれがあります。そして、親事業者は、誠実な交渉の結果、下請事業者と合意に至ったと考えてしまうこともあるでしょう。今回の件では、パルシステムは、そのように考えていたのかもしれません。
親事業者が下請事業者と取り決めを行うときは、当事者同士の誠実な交渉はもちろん必要です。それに加えて、親事業者は、思わぬ下請法違反にならないよう、取り決めの内容を慎重に確認し、少しでも不明点があれば公正取引委員会に相談することが重要です。