投書内容が漏えい 広島市

2021年10月、広島市で役所内の投書コーナーに投書された内容を、市の職員が投書者の勤務先に漏らしていたことがわかった。
投書者は、市庁舎の設備管理などを担当する会社に勤務。市庁舎内や勤務先の新型コロナウイルス感染対策に不備があるといった内容を、氏名・勤務先を記入して投書していた。市の職員が投書者の勤務先に改善を求めた際に、投書のコピーを手渡していた。
広島市は投書者に謝罪。投書者は、漏えいにより職場で不利益を受けたとして、告訴も検討しているという。

【このニュースに一言】

同市の投書用紙には、「意見、要望は市個人情報保護条例に基づいて厳重に管理する」と書かれていました。そのため、投書者は投書の内容が漏れるとは思わなかったでしょう。この漏えいが起きた原因には、個人情報の保護についての各種ルール・法令等について、同市の職員らへ周知が不十分だったことが考えられます。しかし原因はそれだけではありません。同市の職員が投書するに至った投書者の気持ちや理由を想像できていなかったことも原因と言えます。
「投書者は、『勤務先に直接伝えづらい、伝えたら不利益を受ける』と思ったから市の投書を利用したのかもしれない」といったことを想像できていれば防げた漏えいだったと思います。

この件に限らず、公に言えないことを相談されたときは、まず相談した人の気持ちをしっかりと想像することが大切です。
そして、「相談した人にとって良い」と思ったことでも、相談した人の了解なく、行動しないように注意しましょう。