約330万円を不適切な会計処理 兵庫県姫路市
2024年1月、兵庫県姫路市の教育委員会は、同市の市埋蔵文化財センターで、発掘調査報告書2件が未完成であるにも関わらず、同報告書の印刷費用として約330万円を支払っていたことを発表した。原稿の執筆が遅れ、予定していた2023年3月末の発行に間に合わなかったが、担当者が印刷業者に虚偽の委託業務完了届を出すよう依頼したという。
市教委は、「年度内の予算執行が必須と考え、不適切な処理をしていた」と話している。
【このニュースに一言】
官公庁に限らず、民間企業でも年度単位で事業予算を決め、執行する計画を立てます。計画は、予定通りに進められることが何よりですが、状況により予定通りにならないことも起こり得ます。
そのとき、皆さんはどう考えるでしょうか?
本件の担当者は、年度内の予算執行が必須と考えて、不適切な処理をしてしまいました。もちろん、同報告書が完成すれば、支払った金額は、印刷費用に充てられて、不当に利益※を得たり、被害を受けたりする者はいません。このことから、同担当者は、不適切であっても、許容される行為だと正当化していたのではないでしょうか。
しかし、実態と異なる会計処理が一部でもあれば、会計全体への信頼性に疑念を持たれます。
もし年度内に予定していた予算執行が不可能になった場合は、本件のような不適切な処理ではく、社内で承認される処理がないかを考えてみましょう。たとえば、予算計上していないもので、必要になもなったものがあれば、その費用に割り当てるかなどです。
※印刷業者は、印刷費用を本来の時期より、早く受け取れるという利益はあります。