「いじめ対策基本方針」 大阪市教育委員会が制定を検討

2015年8月、大阪市教育委員会は、いじめが疑われる事案を故意に隠ぺいした教員に対して、懲戒処分を含む罰則を明記した制定を検討している。いじめを兆候段階から見逃さず、学校や教育員会などで情報を共有し、迅速に対応するのが狙い。教職員がいじめを故意に隠蔽した場合は、公務員として職務を怠った「非違行為」とし、厳正な対処を行うとしている。また、いじめ事案の調査結果の積極的な開示、被害児童・生徒からの通報を受け付けるサイトやメールボックスの設置なども考慮された内容になっている。

 

【このニュースに一言】

教員が「いじめ隠し」を行う理由として、いくつか挙げられています。

・「いじめ」を教育委員会に報告すると生徒の学校生活の状況や、指導方法などについて膨大な調査が課せられる。

・自らの生徒指導の怠慢を認めることにも等しく、訴訟となった際に不利になることも懸念させる。

・人事評価への悪影響を心配し、報告を嫌がる校長や教頭も多い。

・いじめる側もいじめられる側も教え子で、両方の親からクレームを受ける。

つまり、保身で「いじめ隠し」をするということです。

今回の「いじめ対策基本方針」の罰則規定は、必要なことなのかも知れません。しかし、罰則だけでなく、教員が保身の気持ちにならないようにするためのサポートも忘れてはいけません。例えば、親からのクレームを担任まかせにするのではなく、専門家を配置した対応の窓口を設置するなど、行政が教員をサポートする実効性ある対策を期待します。