家庭用漬物容器の広告に「遠赤外線で早く漬かる」「乳酸菌が増える」「漬物が１時間で出来上がる」などと根拠のない表示をしたとして、2013年6月27日消費者庁は中堅通信販売会社に対して景品表示法違反（優良誤認）で再発防止を求める措置命令を出した。同社は「命令を真摯に受け止める」とコメントし、商品の返品や返金などに対応するとしている。

【このニュースに一言】

「おいしい漬物を食べたい」、「おいしい漬物を食べさせてあげたい」、「短時間で作りたい」。

こんな人の気持ちを根拠の示せない謳い文句で盛り上げて、「漬物器」を購入させた事案です。たしかに購買意欲を掻き立てるための工夫は間違ったことではありません。しかし、嘘や根拠のない話を使うことは絶対に許されません。

同社のサイトでは、「この菜漬器『浅漬け名人』は、主原料であるタウマリン鉱石から遠赤外線を放出しているので、野菜の発酵熟成に必要な乳酸菌もホーロー容器に比べ、１時間に約６倍以上も増殖させます。その６倍以上もの乳酸菌が野菜の自然発酵を促進し、早く漬けあがるのです。」と記載していたとし、この説明が正しいことを示す根拠（資料）したものの却下されたことで、「優良誤認」の措置命令を受け入れるとしています。

この製品を販売していた楽天サイトのユーザーレビューでは、「4.27（5点満点）」の高得点を獲得しており、評価件数73件中、5点　37件、4点26件と極めて高い評価を受けています。しかし、コメントでは「すぐ漬かる」、「簡単に漬かる」など肯定的なものがある一方、低評価のコメントには、「1時間て漬かるは言い過ぎ、一般的な漬物器と比べて早くない」、「漬かりも一時間じゃ浅いしはっきりいって騙された感じ」など辛辣なものがあります。

もしも、大多数の高い評価が本当であれば、同社は「正しいことを示す根拠（資料）」を十分に用意できたのではないかと思ってしまいます。それとも、高い評価自体が、その信ぴょう性に疑問符がつくものだったのでしょうか。

（楽天　みんなのレビュー）　http://review.rakuten.co.jp/item/1/199054_10002167/1.1/