不正受けパワハラ厳罰化 大手自動車会社

2022年12月、大手自動車会社は、パワハラに対する社内処分を厳罰化したことを発表した。同社で起きたエンジン認証不正問題に関する調査報告書において、上司からの人格否定発言や、複数人の前でミスを責め立てる等が横行するパワハラ体質が不正の背景にあったと指摘されていた。その後、同社はパワハラ防止の取り組みである「パワハラゼロ活動」を進めており、処分の厳罰化を決定したのもその一環である。最も軽い処分の場合でも「減給」、非常に悪質な場合や、繰り返された場合には「懲戒解雇」も検討するとしている。

【このニュースに一言】

2022年3月にエンジン認証不正問題を公表すると、同社の事業活動は甚大なダメージを受けました。その不正問題を生んだ背景の1つにパワハラ体質があると指摘されたことを受け、対策を進めるなかで同社はパワハラ厳罰化方針を決定しました。パワハラを恐れて、意見を出しにくい、ミスを言い出しにくい社内環境は、同社に限らず全ての企業において、様々な不正を生む土壌になることが考えられます。
報道によれば、同社が「パワハラゼロ活動」に取り組み始めた2022年8月以降、パワハラに関する社内の相談件数は、年平均2、3件だったものが11月末時点で60件ほどに増加しました。これはパワハラへの意識が高まったことを表わす、良い傾向といえます。パワハラ防止には、実際に今パワハラに悩んでいる人が声をあげること、またパワハラを受けていなくても、パワハラは職場にあってはならないものであるとあらためて認識することなど、まずは「パワハラを意識する」ことが必要です。