幹部によるセクハラで損害賠償 官民ファンド

日本文化の魅力を海外に発信する官民ファンドの幹部らによるセクハラがあったなどとして元派遣社員が損害賠償を求め訴訟を行っていた件で、2020年3月3日、東京地裁は幹部二名にそれぞれ5万円の支払いを命じる判決を出した。
判決では、2016年に幹部らが、女性職員らに「監査役とのワインディナー」や「監査役に手作りプレゼント」などと書かれたくじを引かせたり、女性の肩に手をまわしたりしたのはセクハラであると認定。裁判長は「人格権を侵害する違法行為があった」と指摘した。
(朝日新聞、読売新聞)

【このニュースに一言】

被告の幹部の一人は、「くじ引きは、女性職員らを慰労するための贈り物」と今後も継続する意向を示していたそうです。そのような被告に対して、当然のことながら、裁判所は「反省の態度を一切示していない」と断じました。
望まない相手から触られる、一方的にディナーをセッティングされるといったことが、精神的苦痛になることを理解できないのでしょうか。セクハラだと訴えられたとき、「そんな意図はなかった」「問題になるのはおかしい」と自己弁護するより前に、まず相手の気持ちになって「どう感じるか」を考えることです。
自身の優越的な立場からくる驕りや、「昔は普通だった」などの過去の感覚を深く反省し、コンプライアンス意識を身に付けてほしいものです。
今回、幹部らは被害者を傷つけるだけでなく、官民ファンドの名を汚しました。官民ファンドが海外に発信すべき日本文化は、決してセクハラではないはずです。