年金機構でパスワード設定「完了」の虚偽報告

日本年金機構の個人情報流出問題で、内部調査を行った結果、虚偽の報告があった可能性が出ていることが2015年7月4日にわかった。機構は、2013年に個人情報が含まれるデーターについて「パスワード設定」「アクセス制限」などのセキュリティー対策の徹底を指示し、その後4回調査したところ、すべての年金事務所から「完了」の報告があったという。実際には、流出した45万人分の情報にパスワードは設定されていなかった。厚生労働省の第三者検証委員会は、調査を進める方針。

 

【このニュースに一言】

年金事務所の職員たちは、なぜ「虚偽の報告」をしたのでしょうか。理由として、「いいかげんなことを言ってもかまわない」という無責任な気持ちがあったことが考えられます。また、「パスワード設定を行うことは操作が面倒になる」という情報の安全より自分たちの都合を優先する気持ちもあったのではないでしょうか。一方、調査する側にもセキュリティー対策が徹底されているかどうかを真摯に確認しようという気があれば、現場調査などで実態がつかめたはずです。

社会保険庁時代の年金記録問題で明らかになった同機構のずさんな体制が、今回の件で改善がまったく進んでいないことがよくわかりました。