米国大手IT企業を被告とする独禁法違反訴訟が開始。コンプライアンス違反をしたのは誰か。

2014年9月に中堅部品メーカー(以降S社)が独禁法違反として、米国大手IT企業(以降、A社)を訴えた裁判が始まった。S社の発表では、A社と9年間にわたる継続取引をしていたが、優越的な地位を利用した看過できない行為があったとしている。

具体的には、以下の内容としている。

S社は、A社の要求により新製品の開発、設備投資を行っていたが、半年後にA社は合意を無視して、製造を他社に依頼。その他社はS社の特許を侵害していた。また、S社が取引再開を求めると、過去に納品したものに遡って値下げを要求した。

東京地裁で12月15日に行われた第一回口頭弁論では、A社は「不当に高い価格を請求し、優越的な地位を乱用したのはS社側である」と主張している。

 

【このニュースに一言】

優越的な地位を利用して、不公正な取引を要求したのはどちらなのか?

S社が持っている「優越的な地位」は、特許技術を持っているという立場でしょう。

A社が持っている「優越的な地位」は、圧倒的な購入力を持っているということでしょう。

優越的な地位を利用して、不当な利益を得る、相手企業にダメージを与えることは、極めて卑劣な行為です。コンプラアンス違反をするような企業からは、どんな優れた製品を市場に提供していたとしても、「買わない」ことが人としての正義ではないでしょうか。