大手銀行、暴力団への融資をコンプライアンス委員会も知っていた?

2013年9月、金融庁は大手銀行に対し、暴力団関係者などの反社会的勢力に系列の信販会社を介して総額約2億円を融資していることを把握しながら、2年以上も抜本的対応をせず放置していたとして、業務改善命令を出した。また当初の説明では、融資の情報が担当役員で止まり経営陣には届いていなかったと話していたが、報道によると実際には大手銀行やグループの取締役会やコンプライアンス委員会に報告されていたという。

【このニュースに一言】

報道のとおり「取締役会やコンプライアンス委員会が知っていた」ことが事実なら、2011年にあった大王製紙のオーナー社長の不正やオリンパスの一部役員だけが知っていた「飛ばし」事件とは比較にならないほどの大きな問題だと思います。

金融機関はコンプライアンスには非常に厳しい企業だと思っていましたが、その金融機関で数十年も務め上げた複数の人たちが、みんなで不正を見逃してことに唖然となります。見逃していた役員の方々は、会社でどのようなコンプライアンス教育を受けてきたのでしょうか。業法順守に重点を置いた教育だけはなく、社会人として基本的なコンプライアンス意識を身につける教育がなければ、「それは間違っています!」と言える心は育ちません。