トラブル続きの大手鉄道会社、原因は?

大手鉄道会社が、レールの幅が社内の基準値より広がっていたことが定期検査で判明してしたにもかかわらず、補修せず約1年放置していたことが2013年9月、明らかになった。19日の貨物列車脱線事故の原因になった可能性があるという。社内規定では、基準値を超えた場合には検査から15日以内に補修することになっている。同社は明らかなミスであることを認めているが、放置した理由はわからないとしている。

 

【このニュースに一言】

レールのことが発覚する以前にも、列車の出火やドアセンサーの不良、踏切の遮断機が下りないなどの事故や不具合が今年起きていました。これらが起きた根本的な原因として、JR北海道の赤字体質と民営化に伴う人員削減の結果、整備技術者の高齢化(中堅不足)など、そもそも点検・整備に掛けられるリソースが不足していることが挙げられています。

しかし一番の原因は、安全を守るという意識の低さにあるように思えてなりません。「リソース不足なのだから、安全が確保できなくても、仕方ない」といった意識があったのではないでしょうか。

JR北海道は、国鉄民営化の時点でJR東日本やJR東海などと違い、「単独では事業継続が不可能な会社」でした。経営安定化基金と呼ばれる資金を民営化に際に受取り、その運用益で営業収益の不足を補てんしています。そんな厳しい環境に置かれている会社なのですから、自分たちだけで解決できない問題であれば、国や利益の上がっているJR東日本などに、堂々と助けを求めていけば良いのです。

「安全を絶対に守る」という気持ちさえ持っていれば、避けることができるトラブルです。