会社の口座から現金を不正引き出し 岐阜県

2019年11月、岐阜県の保険会社の元社員が、会社の口座から不正に現金を引き出した容疑で逮捕された。
同年1月、同社から「会社の口座から現金が不正に引き出されている」という通報を受け、警察が捜査を開始。逮捕された元社員は会計を担当しており、支社長印を無断で持ち出し、不正に現金を引き出していたとみられる。2017年12月に現金40万円を不正に引き出した疑いがあり、他にもあわせて1190万円が不正に引き出された形跡があるという。

【このニュースに一言】

同社の会計担当者は、今回不正を行った元社員一人だけだったのでしょうか。ある業務を担当する人が一人しかいないような場合、業務は属人化してしまい、周囲は不正があっても気づきにくくなります。特に、会計のようにお金を取り扱う業務は不正が起こりやすいため、担当者を複数人おいたり、担当者以外の人が内容のチェックを行ったりするなど、不正の機会をなくすための仕組みが必要でしょう。
また、支社長印の持ち出しが安易にできてしまう環境だったのだとしたら、それもまた問題があります。銀行印や決済印などに利用される印鑑は、管理者が厳重に管理し、持ち出しや使用の際には、誰が何の目的で使用または持ち出したかが把握できるようにすべきです。会計業務を複数人で担当すること、印鑑の所在を把握することなどによって、業務が透明化されると、たとえ不正が起きたとしても、気づきやすくなります。