タクシーが車椅子を乗車拒否 改善のため研修を義務化

2019年3月、「UD(ユニバーサルデザイン)タクシー」が、車椅子での乗車を拒否する事例を受け、政府はタクシー会社に改善のための研修を義務化する方針をしめした。
「UDタクシー」とは、障害を持った人や高齢者など誰でも利用しやすいよう設計されたタクシー。障害者の支援団体であるDPI日本会議によると、車椅子利用者に調査を行ったところ、44名中11名が、UDタクシーに乗車拒否をされた経験があるということが判明した。調査結果を受け、政府は今後、タクシー会社に運転手の研修を義務化し、研修未実施の場合は補助金を出さないなどとしている。
(NHKニュース、東京新聞)

【このニュースに一言】

政府は、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年度までに障害者や高齢者にも利用しやすいUDタクシー1万台の導入を進めており、タクシー会社には購入のための補助金を出しています。しかし、ニュースのような乗車拒否があるのでは、台数がいくら増えても、UDタクシーの導入が進んでいるとは言えません。
調査結果からは、「車椅子のお客様を乗せた経験がなかった」、「車椅子で乗れることを知らない」など、運転手の経験や知識の不足を感じます。研修が義務化によって、運転手にはUDタクシーのことをしっかりと学んでほしいものです。

誰もが住みやすい社会をつくるためには、知識や経験以前に、まず社会への「関心」が必要です。このニュースを「もし自分が運転手だったら…」と、自分ごととして考えてみてください。