ワイロの原資は、企業が負担する経費だった? 大阪府某大学教授とゼネコン2社に贈収賄容疑

2016年11月16日、耐震構造に関する共同研究に参加させていたゼネコン2社から現金を受け取ったとして、大阪府某大学大学院工学研究科の教授が収賄容疑で、渡していた亜建設工業と飛鳥建設の担当者が贈賄容疑で逮捕された。教授は、大学に許可をとらないまま共同研究を行い、企業に経費を負担させない便宜を図っていた。

逮捕者の出た2社はそれぞれ「お客様、株主の皆様をはし?めとする関係者の皆様に、こ?心配とこ?迷惑をおかけすることとなり、深くお詫ひ?申し上け?ます。」とのコメントを出している。

【このニュースに一言】

逮捕された大学教授は、ゼネコンの研究員、大学の助手、建設省(現国土交通省)研究所の研究員などを務めた経歴があり、共同研究の仕組みや内実など詳しく知っていたと思われる。今回のワイロの一部は、本来大学に支払われる経費だったという見かたもあり、「大学教授が、大学に入るお金を自分の懐に入れた」ようなものである。贈賄容疑の2社は、おそらく正規の手続きで共同研究に参加しても、変わりのないメリットがあったはず。推測だが、強い立場の大学教授から、要望されて止む無く従ってしまったのではないか。しかし、不正は不正。断固として、断る勇気を持つべきだったと思う。

一方、大学教授には、大学という環境で研究ができているにも関わらず、「研究は自分のもの」、「もっと評価され、報酬を受け取って良いはず」といった自分勝手な考えを持っていたのではないだろうか。不満があるなら、大学を辞めてから、好き勝手なことをすべきである。