大手総合印刷会社元役員宅を強制捜査 80億円流用問題

大手総合印刷会社の元男性役員(61)が、約80億円の同社グループ資金を不正流用した疑惑で、2015年6月25日京都地検は、元役員の自宅や事務所などの家宅捜査を始めた。元役員は、社内手続きを経ずに、複数の知人男性を通じてシンガポールのサーキット事業を運営する団体に投資するなど、不正流用したとみられる。また、子会社の印鑑を無断で使用するなどしていたことも判明した。同社の社長は「徹底した社内調査を行い全容解明に努める」としている。

 

【このニュースに一言】

今回の事件は外部からの指摘で発覚しました。なぜ80億円もの多額の資金流用が、社内で発覚しなかったのでしょうか。企業風土によっては、権限を持つ役職者や幹部社員が不正を行った場合に、部下が気付いても指摘し正すことが難しい企業があるのは確かです。そのような企業では、役職者らの不正は発覚に時間がかかり、深刻な問題に発展してしまいます。大きな不祥事にしないためには、不正に気付いた人が通報しやすい職場環境や制度を作る必要があります。