排水のデータ改ざん97回 大手食品子会社

2023年3月、大手食品子会社の千葉工場において、県に報告していた水質検定などのデータが、2019年から2022年にかけて、計97回改ざんされていたことが明らかになった。
調べによると、同社は水質汚濁防止法の排水基準値等を超える窒素とリンが含む排水を河川に排出。担当者は基準を超えていることを大きな問題として扱わず、上長等へ適切な報告をしないまま、基準値内に収まるようにデータを改ざんして県に報告していたという。窒素やリンは赤潮などの原因になるとして、排水の基準が設けられており、基準を超えた場合は対策を取ることが義務づけられている。

【このニュースに一言】

同社によると同担当者は、「少人数で多くの設備を保守点検しており、(問題を報告して)業務量が増えることに抵抗があった」旨の説明をしていたようです。多忙さが、人の判断を誤らせることはあります。しかし、不正をしたり、不正を許容したりするような判断は絶対に許されません。同担当者は、排水が基準値を超えたという問題に対処しなければならない際に、自身の業務の多忙さから、誤った判断をしてしまったのだと思います。そして、97回ものデータ改ざんを繰り返したのは、一度目の不正で、その場逃れができた体験が、次の不正への抵抗感を下げてしまうことや、過去の改ざんと辻褄合わせが必要になることが要因として考えられます。

不正には、自身の周囲にある様々なモノ・コトを利用した身勝手な正当化が必ずあります。特に「忙しいから、仕方ない」という、いつも身近にある正当化には要注意です。