〇〇会社の書類、どこにありますか?

新聞、雑誌、契約書など、情報のデジタル化が進む現在、紙の書類が配られる回数はぐっと減りました。でもなくなったわけではありません。アナタは「ここにでも入れとくか!」と引き出しやロッカーに書類を押し込んで、中途半端なお片付に勤しみます。そして、「いつか整理しよう!いつか整理しよう!」と思っている間に、数年の月日が経っているものです。

ある日、アナタは上司から「取引先の〇〇会社の書類、預けていたよね。あれ今、出せるかな」と頼まれました。「〇〇会社の書類……」、背中を嫌な汗がつたいます。〇〇会社の書類を上司から受け取ったのが約1ヶ月前、ここまでの記憶はハッキリとあるんです。ただ書類が今どこにあるのか全くわからない。上司は頼んだことを早くやって欲しいタイプ、アナタは「ちょっと待ってください!すぐに持っていきますね!」と口早に回答。上司の背中が見えなくなったタイミングで、アナタは机の後ろにあるロッカーと向かい合います。そうです、〇〇会社の書類があるとするのならば、ここしかない。

ロッカーのなかを覗けば、想像通りのギュウギュウ具合、書類がこれほどかと詰まっています。バインダーやファイルに入ったもの、入っていないもの、数年前のもの、最近のもの……すべてが混ざった、まさに混沌の世界!面倒だ……けど身から出た錆だよな……、アナタは書類を一束ずつ取り出し、確認していきます。時間をかけて、なんとかロッカーを全て調べ尽くしたアナタ。別件で無くしたと思って再発行を依頼した請求書や、謎の千円札なんかも出てきましたが、肝心の書類は見当たりません。仕方ないので、今度は引き出しを開けようとしますが、そもそも何かが奥に引っかかっているのか、開きすらしません。力を目いっぱい入れて、ようやく開いたかと思えば、またとんでもない量の書類が目に飛び込んできました。

ここにも入っていなければ、紙ゴミとして処分されている可能性がかなり高い。アナタはヤバい、ヤバいと汗をかきつつ、書類チェックを続けます。貪るように書類に目を通していると、背後から聞こえてきた「ゴメン、ゴメン」の声。ハッと、後ろを振り返ると両手を合わせて謝罪している上司がいました。「ゴメン!〇〇会社の書類、前に返してもらってたわ!」と苦笑い。カァー!と自分の頭に血が上がっていくことをアナタは自覚します。しかし怒り以上に勝るのが安心感、「良かったですねぇ、僕もそうだと思ったんですよ~」とこちらも苦笑い。

機密情報や個人情報などは、しっかりと管理しましょう。今回は大きなトラブルになりませんでしたが、情報を紛失・漏えいさせてしまった場合、責任をとるのはアナタ自身です。

教 訓

機密書類の管理は大丈夫ですか?パンパンのロッカーや引き出しがあれば…今こそ整理する機会かもしれません。