「トラブルを解決するため」とアナタが頼った「Q&Aサービス」がトラブルの種

アナタは企業のお客様相談サービスセンターで働いています。なにかと忙しい仕事ですが、お客様の疑問を解決できたときにいただける「ありがとう」は何事にも変えがたい喜びです。もちろん、お客様のなかには難しい方もいらっしゃいます。99%は心良い方々ですが、残りの1%、俗に言うクレーマー気質のお客様が悩みの種です。なかでも通称「常連」はアナタの勤務するサービスセンターでは名高い存在。「泣かされたオペレーターが後を絶たない」「何度謝っても譲歩しない」といった数々の伝説を持つキングオブクレーマーです。

「ルルル、ルルル、ルルル」アナタの電話が鳴りました。受話器を取り耳につけた刹那「ワタシだけどさ!」と高圧的な声、すぐにわかりました「常連」です。遂にアナタも「常連」からの電話を受けてしまいました。
「うわ、当たってしまった……」と思いつつ、平静を保つアナタ。のっけから機嫌が悪い「常連」の対応をしていきます。しかし、落ち着く気配は一切ありません。このままではラチがあかないと、アナタは「折り返し電話をさせていただきます」と休戦願いを出しました。お昼時だったことが幸いしたのか、「常連」はそれを飲みました。一旦、なんとか問答を脱することができました。しかし、まだ終わってはいません。

「さて、どうしようか……」

運悪く、相談できる上司は休暇でいません。アナタはどんどんと追い詰められていきます。「常連」にリダイアルすると約束した時間が刻々と迫ってきます。冷や汗が出るほど追い詰められたアナタはふと閃きました。
「そうだ!匿名で相談ができる『Q&Aサービス』を使おう」
早速、アナタは「常連」への対応策を求めている旨を書き込みます。幸い、すぐに回答が集まってきました。突飛なものも散見されますが、自分では考えもつかないナイスアイデアも多いです。そのなかで参考にできる回答をいくつか紙に書きとめ、アナタは「常連」にリダイアルしました。「Q&Aサービス」を使って大正解!数分のやりとりの後、アナタは難攻不落と言われた「常連」を攻略。すんなりと解決できました。

一見してやったり!と思えるアナタの行動ですが、実はコンプライアンス的にNGです。
不特定多数の人間が見られる「Q&Aサービス」にお客様からの相談やクレーム内容を書き込んではいけません。相談内容をぼやかして書いたとしても、お客様の情報を外部に漏らしたことには変わりません。
想定できる最悪のパターンですが、「常連」がアナタの書き込みを知ればどうなるか……。間違いなく、史上最大のクレームがサービスセンターを襲うことでしょう。

自分で解決できない問題があれば、すぐに上司や同僚に相談することが大切です。素早い対応が求められる業務の場合は、あらかじめ相談相手を何人か用意しておいた方が良いでしょう。

教 訓

クレームに困ったときはインターネット…ではなく、社内で相談して解決を。適切な対応がとれるように、体制を整えておこう。