アナタは電車の網棚にカバンを置く、そして盗まれる

日々の業務で疲れとストレスが溜まれば、どこかで発散したくなります。ストレスの発散方法はひとそれぞれですが、アナタの場合はお酒に頼りっぱなし。痛飲することで心を癒やしてきました。

健康診断の結果が悪かったときは、「これを機会にお酒を断とう!」と考えたこともあります。さらに運動すれば健康にも良いし、ストレスも発散できる、とジムに通いました。しかし、いまいちスッキリしません。「やはり飲まないとダメだ!」とアナタは再びお酒へ手を伸ばします。一時の断酒はお酒の存在価値をさらに高める因果な結果となりました。

ある晩、アナタは行きつけの居酒屋で一人飲みを楽しんでいました。数ヶ月、携わり続けたプロジェクトが今日の昼間にやっとゴールを迎えたからです。完成したと思ったら「修正」、また完成したと思ったら「修正」。終わりなき「修正」が繰り返されたプロジェクトで、アナタは身も心も削られました。しかし、終わってみれば良き思い出です。

久しぶりの飲酒ですから、瓶ビールを数本空けた頃にはいい気分に……。そして、アナタは勘定を済ませ、家路に着きます。千鳥足で歩き、なんとか駅に到着。電車に乗ります。運が良いことに電車内は空いており、座ることができました。
普段のアナタは網棚にカバンを置くことはしません。ただ、酔っていると普段しないことをやってしまうもの。アナタはふと目にとまった網棚にカバンを置きました。そして着席した瞬間、気が緩み爆睡。

22分後、アナタは電車の扉が開く音で目を覚まします。眠い目を擦りつつ、周りをうかがうとちょうど最寄りの駅に到着した瞬間だとわかりました。アナタは降りようと立ち上がります。しかし、いつもは膝上にあるカバンがありません。「取られたか!?」と血の気が引きますが、次の瞬間、網棚に置いていたことを思い出しました。

「良かったぁ、セーフ!」とアナタは網棚を見上げます。あれっ、肝心のカバンがありません。一旦、落ち着こう。「酔っているだけ」と自分に言い聞かせ、もう一度網棚を見ます。やはりカバンはありません。何度見直しても、網棚にカバンがないのです。「飲み屋に忘れてきたんだ、そうに違いない」と記憶の捏造を始める自分を制し、アナタはカバンが盗まれたことを認めます。仕事の機密書類が入っているカバン……、ノートパソコンも入っているカバン……、家族の写真も入っているカバン……。アナタは「なんであの時、網棚に置いたんだ!俺は!」と後悔から身体を震わせます。

仕事で使用するカバンをなくすのは、紛うことなき情報漏えい。アナタはもとより、会社の信用に関わる問題に繋がります。お酒を飲んでストレス解消するのは良いですが、情報管理は怠らないでください。

教 訓

あなたの情報、常に狙われています。パソコンや書類を持ち帰るときは、手放さない、目を離さない!