「お得意様」に配るチケットを勝手に売るアナタは横領罪?

定例の朝会議で部長から「コレ、お得意様に配っておいて〜」と美術展のチケットを渡されたアナタ。デスクに戻り、封筒を開けると想像以上の枚数が入っていました。「やけに分厚いと思ったんだよなぁ……」とチケットの枚数を確認すると、325枚もありました。

自社が協賛しているその美術展は、新進気鋭の若手クリエイターたちが参加する注目のイベントのようです。しかし、芸術に興味の欠片もないアナタは「これ、もらって嬉しいの?ビール券とか商品券なら俺も欲しいけど……」「ていうか、参加者アーティスト、誰も知らないし……」などとつまらなそうにチケットを眺めます。

アナタは「めんどいなぁ」といった本音を隠しつつ、「お得意様」にチケットを配りに行きました。なかには「もっと欲しい」と言ってくれる担当者もいました。逆もまたしかり、「そんなのいらないよ」と断ってきた担当者もいます。結局、アナタの手元には100枚以上のチケットが残ってしまいました。

上司に「チケットを配れなかった」と素直に伝えることも考えました。しかし、なんだかそれも煩わしいです。「仕事ができないヤツ」と思われるのもシャクです。かといって、シュレッダーに入れるなんてもってのほか、最低限の常識だけは持っているつもりです。色々と悩んだアナタは「紙くずになるよりマシだろ……」と金券ショップで換金にすることに決めました。チケットもなくなり、勝手に臨時ボーナスを得たアナタは、「得た現金分、さらに仕事を頑張ろう!」と誓い、スッキリとした気分になりました。

枚数が多すぎるゆえ、チケットが余ってしまったのは仕方ないことです。しかし、問題は残されたチケットの行き先です。現金化して、懐に入れるのは流石にマズいでしょう。チケット1枚も会社の財産、勝手に換金するなんて以ての外です。横領と捉えられることもあるので、絶対にやらないでください。

教 訓

金券ショップにフリマサイト、手軽に物が売れる時代だからこそ…会社の物と私物の区別を!