【開催録】第三回プロネクサス コンプライアンス フォーラム

~企業コンプライアンス「リスク」についての教育・活動・対応を考える~
コンプライアンス責任者・担当者のためのイベントを開催しました。
(2017年3月24日開催)

当日セミナーには、企業でコンプライアンス推進を担当される方々約150名にお越しいただきました。

当日の流れ(プログラム)セミナールーム①

□12:30~  受付開始
□13:00~  「不祥事を防ぐ方策の浸透~風通しの良い職場づくり~」に向けた役員・管理職教育 (角渕 渉氏)
□14:45~  不正リスクマネジメントの勘所~仕組の構築と意識の醸成のバランス~ (辻 さちえ氏)
□16:30~  環境変化への適応としてのコンプライアンスと企業不祥事 (郷原 信郎氏)

当日の流れ(プログラム)セミナールーム③

□14:00~  コンプライアンスリスクを低減させる社内教育の在り方
       ~コンプライアンス推進担当者への提言~ (鈴木 瑞穂氏)
□16:05~  コンプライアンス落語~咎(とが)の素~ (春雨や 風子氏)

会場

株式会社プロネクサス 5階セミナールーム
セミナールーム②ではHTCのブースを設置させていただきました。

会場の様子

HTCのブース

プロフィール

■講師:角渕 渉 氏(経営コンサルタント/アクアナレッジファクトリ株式会社)
ソフトウェアハウス、国内系コンサル会社を経て、大手監査法人グループのKPMGあずさビジネススクールで講師をつとめる。2007年にアクアナレッジファクトリ株式会社を設立。「財務計数感覚に裏打ちされた戦略経営」「確かなマネジメントスキルに支えられたコンプライアンス経営」をテーマに、財務・法務教育、マネジメント教育の研修講師として活躍中。難しい知識体系の中から実務に役立つ部分を抽出し、いかに易しく、そして優しく伝えるかを考えながら、日々講壇に立つ。

■講師:辻 さちえ 氏(公認会計氏/公認不正検査士 株式会社エスプラス 代表取締役)
1996年監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)入所。上場支援から大手企業まで幅広い規模・業種の会計監査を担当。2005年コンサルティング部門に異動。内部統制報告制度導入、コンプライアンス体制構築、内部監査体制構築、決算早期化などの数多くのプロジェクトに従事。2015年に独立、株式会社エスプラスを設立。コンプライアンス体制構築支援、内部監査の品質評価、内部統制評価制度対応支援等を実施。企業不正関連のセミナー多数。2016年6月より公認不正検査士協会(ACFE JAPAN) の理事を務める。

■講師:郷原 信郎 氏(郷原総合コンプライアンス法律事務所代表弁護士)
1955年島根県松江市生まれ。1977年東京大学理学部卒業。1983年検事任官。公正取引委員会事務局審査部付検事、東京地検検事、長崎地検次席検事等を経て、2004年法務省法務総合研究所総括研究官兼教官。2005年派遣検察官として桐蔭横浜大学法科大学院教授・コンプライアンス研究センター長。2008年郷原総合法律事務所(現郷原総合コンプライアンス法律事務所)開設。2009年総務省顧問・コンプライアンス室長。2012年関西大学特任教授。2014年~2016年関西大学客員教授。

■講師:鈴木 瑞穂 氏(法務コンサルタント/元・KPMGあずさビジネススクール講師)
外資系コンサルティング会社、外資系ブランド輸入代理店等の総務・法務を経て、大手監査法人グループのKPMGあずさビジネススクールで講師をつとめる。2009年に独立し、主に企業法務(契約、労務、会社法等)とコンプライアンスの研修講師として活躍中。抽象的な概念を日常業務に引き当てながら具体的に理解させることをモットーとする。著書に「やさしく分かるコンプライアンス~茶髪って違反ですか?」(日本実業出版社)がある。

■落語家:春雨や風子
芸暦:2007年秋、四代目春雨や雷蔵師匠に入門。
大師匠は八代目雷門助六
2008年2月 浅草演芸ホールで初高座。
2012年3月 二ツ目昇進。
出演:BS日テレ笑点特大号 「若手大喜利」出演中!
 

「不祥事を防ぐ方策の浸透~風通しの良い職場づくり~」に向けた役員・管理職理職教育

講師:角渕 渉 氏

職場の風通しが悪いことが原因で発生した過去の不祥事を例に、どのように方針を浸透・定着化させていけばよいかというお話をしていただきました。コミュニケーションスキルの強化だけでなく、マネジメント強化も欠かせないという内容は大変勉強になりました。

(取り上げた3つのテーマ)
 ①風通しの重要性
 ②阻害要因と打開策の提案
 ③解決に向けた教育事例紹介
研修ワークシートを使用した研修の事例などの紹介もありました。

不正リスクマネジメントの勘所~仕組の構築と意識の醸成のバランス~

講師:辻 さちえ 氏

コンプライアンスリスクを考えるうえで、役職員のコンプライアンスに対する意識の希薄さや欠如を見落としてはいけないとご指摘がありました。ビジネス倫理学からの視点でコンプライアンスリスクを分析した、倫理教育や仕組の実装についてのお話はわかりやすく、大変興味深い内容でした。

(取り上げた2つのテーマ)
①コンプライアンスリスクと企業倫理への対応
②コンプライアンスリスク対応のステップ
最後は質疑応答の時間もありました。

環境変化への適応としてのコンプライアンスと企業不祥事/講師:郷原 信郎 氏

「競争環境の激変」「情報環境の激変」「労働環境の激変」など環境変化から見るコンプライアンスについてのお話をしていただきました。「社会の要請に応える」とよく言われていますが、その具体的な意味が良くわかる内容でした。また、実際にあった事件を題材としたお話もあり、大変迫力がありました。

コンプライアンスリスクを低減させる社内教育の在り方~コンプライアンス推進担当者への提言~

講師:鈴木 瑞穂 氏

コンプライアンス研修は、「コンプライアンス推進活動」の目的に基づいて戦略的に企画されなければならないというお話をしていただきました。「目的」「媒体」「組織」「企画」の4要素を確立し、プログラムを展開することが大切という内容は大変参考になりました。
「知識を教えるだけでは違反を防げない」という指摘から「知識を意識につなげる」取り組みなどコンプライアンス推進活動の在り方について学ぶことができました。

コンプライアンス落語「咎の素」

落語家:春雨や風子 氏

コンプライアンス落語は、今回が2回目の口演になります。
題目は、前回と同じく「咎の素」でしたが、前回と噺やテンポがちょっと変わっており、「落語って生き物なんだ」と感じさせるものでした。
今年からスタートしたコンプライアンス落語ですが、コンプライアンス推進に役立つコンテンツになるため、まだまだ試行錯誤中です。
コンプライアンスに関わるたくさんの人に「おもしろい」「使ってみたい」と思ってもらえる企画を展開していきます。「咎の素」だけでなく新しい噺も製作中。楽しみにしていてください。

セミナーを終えて(担当者の感想)

第三回目を迎えたコプライアンスフォーラムでは、4名講師を招いてのセミナーとコンプライアンス落語口演が開催されました。
参加者は、各企業のコンプライアンス担当者約150名。それぞれがお目当てのセミナーに参加し、真剣な眼差しで受講する様子が見られました。また今回初となるインターネット同時配信※で行われ、遠方の企業担当者にも参加してもらうことができました。
HTC提供の「コンプライアンス落語」口演は、セミナーの合間に行われました。演目前の枕話では、職場のNG恋愛模様の話もあり、ちょっと危険な笑い声も会場からは出ていました。